最低投資金額の引き下げで株式分割が期待される52銘柄

💡この記事のポイント

✅東証が上場企業に最低投資金額の引き下げを要請する方針で株式分割が増えそう

✅株式分割を発表して株価はどうなったか?を検証

✅株式分割しそうな銘柄の先回り買いを検討

✅最低投資金額50万円以上の52銘柄をご紹介

🔎登場する主な銘柄

キーエンスSMCファーストリテイリングディスコ東京エレクトロン

  

目次

最低投資金額の引き下げ要請で株式分割が増えそう

株式分割は株価の上昇要因

株式分割を発表して上昇した割合は?

先回り買いを検討しよう

最低投資金額50万円以上の銘柄

最低投資金額の引き下げで株式分割が期待される52銘柄

最低投資金額の引き下げ要請で株式分割が増えそう

4月24日、東京証券取引所(東証)が、株式の最低投資金額を10万円程度に引き下げるよう、全上場企業に要請する方針を発表しました。

これは少額から株式投資をしやすくするための取り組みですが、最低投資金額が引き下げられれば、個人投資家が株を買いやすくなり、株式市場の活性化が期待できます。


PayPay証券の場合は、日米株や投資信託が100円から買うことができますが、一般的な証券会社では株式は100株単位での購入となることから、仮に株価が1万円の株の場合、100株(1単元)買うには、最低でも1万円×100株=100万円が必要となります。


これを10万円で買えるようにするには「株式分割」を行い1万円の株価を引き下げる必要があるため、今後分割を発表する企業が増えていくことが考えられます。


株式分割は株価の上昇要因

株式分割とは、企業が1株を複数の株に分けることです。​例えば、1株1万円の株を10株に分割すると、株価は10分の1の1,000円になります。​株式分割する前と後では時価総額は変わらないので、本来は株価への影響は中立で、株価の変動要因とはならないはずです。


しかし、株式分割により株価が1万円で最低投資金額が100万円だった株は、株価が1,000円になり10万円あれば買えるようになるため、投資のハードルが一気に下がります。最低投資金額が下がれば誰でも株を買いやすくなり、取引の活発化が期待できることから、株式分割を発表した企業は株価が上昇するケースが多くあるのです。そのため、株式分割を発表すると「買い材料」と一般的には考えられています。


株式分割を発表して上昇した割合は?

​実際に株式分割を発表して株価はどうなったか?を見てみましょう。

当社取扱銘柄の内、2024年に株式分割を発表した44銘柄の値動きを調べてみました。


株式分割を発表した日と翌営業日の終値を比較

上昇した銘柄の割合

68.18%

平均騰落率

2.49%


発表翌営業日の株価の動きは、7割近くの銘柄が上昇し、平均で前日比+2.49%と、やはり「株式分割は好材料」と捉えられていることが分かりました。


中には、ローツェ<6323>+22.90%、アシックス<7936>+20.69%と急騰しているものもあり、日立製作所<6501>+8.5%、ソニーグループ<6758>+8.23%、味の素<2802>+7.21%、アサヒグループホールディングス<2502>+7.18%など好反応のものが目立ちます。


逆に下落してしまったものは、三井ハイテック<6966>-7.83%、富士フイルムホールディングス<4901>-6.73%、高島屋<8233>-6.66%などで、株式分割は発表したものの決算が良くなかったケースが多いようです。


株式分割を発表した日と分割した日の終値を比較

上昇した銘柄の割合

63.64%

平均騰落率

4.94%


株式分割が発表されてから実際に分割される日までの期間は、およそ1~5ヵ月程度とばらつきがありますが、一般的には2~3ヵ月程度です。


この間で上昇した銘柄も6割超で、翌日に上昇していた30銘柄より2銘柄少ないだけでした。期間が長い分、マーケット全体の値動きも含めた株式分割以外の要因が大きくなりますが、株式分割銘柄はおおむね堅調さをキープしたようです。

平均騰落率は期間が長い分だけ変動する幅も可能性も大きくなるので、上昇率が倍に増え4.94%でした。


大きく上昇したものは、野村マイクロ・サイエンス<6254>+44.44%、アシックス<7936>+35.86%、日立製作所<6501>+35.58%、サンリオ<8136>+27.46%、三菱重工業<7011>+26.92%、オービック<4684>+21.32%、SHIFT<3697>+20.01%などで、業績好調や時流に乗っていたものが多いようです。


逆に下落してしまったものは、浜松ホトニクス<6965>-34.11%、三井ハイテック<6966>-17.45%、ニチレイ<2871>-15.30%などで、やはり業績悪化や全体安の影響が大きかったようです。


先回り買いを検討しよう

やはり、直近の結果でもおおむね「株式分割は好材料」と考えて良さそうです。上記の結果を踏まえると、「業績好調で株式分割を発表した銘柄」が、その後の伸びも期待できそうです。


東証の要請で株式分割が今後増えるとしたら、発表後の値上がりを狙って先回り買いをしておくのも一つの方法でしょう。


東証は最低投資金額を10万円程度まで引き下げたいとのことですが、特に株価が高い「値がさ株」と呼ばれる銘柄は、株式分割する可能性が高そうです。例えば、最低投資金額が500万円の銘柄の場合、10万円に引き下げるためには50分割の株式分割が必要になります。


PayPay証券では100円から株を購入できるため、どんなに株価が高い銘柄でも気軽に投資できます。例えば、10銘柄を1万円ずつ買うこともできるので、株式分割が期待できそうな銘柄を数銘柄まとめて先回り買いすることも可能です。


もちろん、株式分割期待だけで買うのではなく、業績や業種や株価推移なども合わせて検討すべきですが、複数銘柄に分散して買うことで、株式分割の効果も分散して得られる可能性が期待できそうです。


ここからは、当社取扱銘柄の中から最低投資金額が50万円以上の銘柄をご紹介します。


最低投資金額50万円以上の銘柄

銘柄

最低投資金額

キーエンス

6,325,000円

SMC

5,336,000円

ファーストリテイリング

4,822,000円

ディスコ

3,583,000円

東京エレクトロン

2,413,000円

シマノ

1,971,000円

コナミグループ

1,882,000円

HOYA

1,800,500円

日本オラクル

1,687,500円

豊田自動織機

1,652,500円

ダイキン工業

1,610,500円

ニトリホールディングス

1,549,500円

レーザーテック

1,530,000円

IHI

1,302,000円

霞ヶ関キャピタル

1,204,000円

任天堂

1,144,500円

SCREENホールディングス

1,107,000円

トレンドマイクロ

1,055,000円

東洋水産

977,000円

しまむら

964,000円

スクウェア・エニックスHD

886,200円

川崎重工業

878,700円

東京精密

877,000円

リクルートホールディングス

876,200円

ゼンショーホールディングス

836,600円

ベイカレント

791,300円

大成建設

787,700円

ソフトバンクグループ

781,200円

伊藤忠商事

751,700円

中外製薬

751,500円

東宝

742,100円

アドバンテスト

741,300円

大塚ホールディングス

654,600円

富士電機

649,400円

花王

627,600円

日本マクドナルドホールディングス

613,000円

ブリヂストン

605,400円

野村総合研究所

593,300円

FOOD&LIFE COMPANIES

590,500円

サンリオ

582,800円

東京海上ホールディングス

581,000円

フジクラ

576,000円

コーセー

561,500円

住友不動産

546,400円

セコム

526,000円

小林製薬

523,400円

オービック

522,600円

良品計画

519,300円

日本郵船

518,400円

商船三井

515,400円

イビデン

510,700円

日本酸素ホールディングス

502,200円

※2025年5月15日時点


記事作成日:2025年5月15日

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