💡この記事のポイント
✅日本は漫画やアニメ、ゲームなどのIPコンテンツが豊富
✅政府は海外での市場拡大を後押し
✅無形資産のIPはトランプ大統領の関税政策に影響を受けにくい
🔎登場する主な銘柄
✅ソニー、オリエンタルランド、任天堂、サンリオ、DeNAなど
IPとはIntellectual Property(知的財産)の略で、「人間の創造的活動によって生み出されたアイデアや作品など形のない財産」のことです。
日本には、独自の漫画やアニメ、ゲーム、キャラクター、映画など豊富なIPコンテンツがあり、世界的にも高い人気を誇っています。
政府も「新たなクールジャパン戦略」として、日本発のコンテンツの海外市場規模を2022年の4.7兆円から2033年には20兆円に引き上げることを目指しており、ますますの成長が期待されています。
株式市場でもIP関連銘柄が人気化することがあり、最近はトランプ大統領の関税政策に影響を受けにくいテーマとしても注目されています。無形資産であるIPは、自動車や半導体など物理的な製品と違い、直接的な影響は少ないと見られています。
そこで今回は、IPを活用して様々な事業を展開する日本株をご紹介します。
IP関連の日本株13銘柄
ディー・エヌ・エー<2432>
主にゲーム事業を中心にIPビジネスを手掛け、任天堂<7974>との協業や、日本の人気IPを中国市場で展開する戦略などが成功しています。
【主なIPビジネス】
・スマホゲーム「Pokémon Trading Card Game Pocket(通称ポケポケ)」の開発
・「SLAM DUNK」「BLEACH」などのスマホゲームを中国で展開
・「横浜スタジアム」などスポーツIPを軸とした街づくり
ネクソン<3659>
主にオンラインゲームを中心に多様なIPビジネスを展開し、アニメやキャラクター商品などのライセンス事業にも力を入れています。
【主なIPビジネス】
・オンラインゲーム「アラド戦記」のスピンオフ作品「The First Berserker: Khazan」を開発
・オンラインゲーム「メイプルストーリー」のアニメ化
・「メイプルストーリー」と回転寿司チェーン「かっぱ寿司」とのコラボ
オリエンタルランド<4661>
ウォルト・ディズニー<DIS>とライセンス契約を結び、ディズニーキャラクターなどのIPを独占的に使用する権利を得て、そのブランドを活用したビジネスを展開しています。
【主なIPビジネス】
・東京ディズニーリゾートの運営
・ディズニーキャラクター商品の販売
・ディズニークルーズが2028年度に運航開始予定
サイバーエージェント<4751>
動画配信サービス「ABEMA」を中心にIP・コンテンツ分野を強化しています。映画やドラマ、アニメの企画・制作のほか、アーティストのライブやイベント、スポーツ興行などのオンライン配信なども行っています。
【主なIPビジネス】
・「ウマ娘 プリティーダービー」のメディアミックス展開
・コンテンツスタジオ「BABEL LABEL」における映画、ドラマ制作
・「ABEMA PPV ONLINE LIVE」を通じたライブやイベントの配信
ソニーグループ<6758>
アニメ、音楽、映画、PlayStationなどのエンターテインメント分野でIPを活用し、多岐にわたる事業展開を行っています。
【主なIPビジネス】
・人気ゲーム「Horizon」「ゴッド・オブ・ウォー」の実写映像化
・YOASOBIやLiSAなど、管理する約576万曲の楽曲配信や映画とのコラボ
・「スパイダーマン」「007」「グランメゾン・パリ」などの映画
バンダイナムコホールディングス<7832>
IPの特性や世界観を活かして最適なタイミングで商品やサービスを展開する「IP軸戦略」に注力しており、アニメ、ゲーム、商品展開など幅広い領域で取り組んでいます。
【主なIPビジネス】
・「アイドリッシュセブン」のアニメ、ライブイベント、音楽CD、グッズ
・「機動戦士ガンダム」の映像作品を中心に、プラモデル、ゲーム、ハリウッド映画化
・ファンやパートナーが繋がるためのオープンな「IPメタバース」を開発
任天堂<7974>
ゲーム業界のリーディングカンパニーとして、オリジナルIPを活用したビジネスモデルを展開しています。「任天堂IPに触れる人口の拡大」を基本戦略とし、ゲーム機をはじめ、映像コンテンツ、モバイル、テーマパークなど多岐にわたる分野に進出しています。
【主なIPビジネス】
・Nintendo Switchを中心とした「スーパーマリオ」「ゼルダの伝説」などのゲーム
・「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」など人気IPの映画化
・ユニバーサル・スタジオ・ジャパンで「スーパー・ニンテンドー・ワールド」を展開
サンリオ<8136>
ハローキティをはじめとしたキャラクターのIPを活用して収益を上げる多角的なビジネスモデルを展開し、ライセンスビジネス、グッズ販売、テーマパーク運営などを行っています。
【主なIPビジネス】
・衣類、玩具、家電、時計などを扱う企業にライセンスを付与し商品化を許諾
・テーマパーク「サンリオピューロランド」「ハーモニーランド」の運営
・スマホアプリ、LINEスタンプなどのデジタルコンテンツ
KADOKAWA<9468>
「グローバル・メディアミックス」戦略を掲げ、出版物、アニメ、映画、ゲームなどの多様なメディアで自社のIPを展開しています。
【主なIPビジネス】
・文芸、コミック、ライトノベル、児童書など年間5,000タイトルを出版しIPを創出
・「Re:ゼロから始める異世界生活」など人気IPのアニメ化
・漫画「推しの子」のゲーム化
東宝<9602>
映画や演劇を中心に多様なコンテンツを提供し、テレビ、アニメ、ゲーム、商品販売など多岐にわたる分野でIPビジネスを行っています。
【主なIPビジネス】
・「ゴジラ」の70周年記念として「ゴジラ・THE・アート展」を開催
・バンダイナムコとオリジナルIPの開発で提携し、映像製作・商品化など国内外で展開
・アニメ事業に注力し、「名探偵コナン」「ハイキュー!!」などを映画化
スクウェア・エニックスHD<9684>
家庭用やスマホ向けゲームソフトの開発・販売を行い、「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」など世界的に人気のIPを抱えています。
【主なIPビジネス】
・ドラマ「ファイナルファンタジーXIV 光のお父さん」などIPの二次利用促進
・「ドラゴンクエスト アイランド」など体験型アトラクションを展開
・ライセンス契約を締結し、電子コミックの海外配信
カプコン<9697>
「モンスターハンター」「バイオハザード」など多数の人気ゲームを創出し、既存のIPを活用しつつ、異なるメディアへの展開やライセンスビジネスを通じて収益を多様化させています。
【主なIPビジネス】
・人気ゲームのキャラクターグッズなどをガチャガチャで販売
・「ストリートファイター」シリーズのeスポーツ「CAPCOM CUP」を開催
・IPを活用したアパレルブランド「&CHIPS」を運営
コナミグループ<9766>
「パワフルプロ野球」「遊戯王」「eFootball(ウイニングイレブン)」などのゲーム開発や関連サービスの提供など多角的にIPを活用しています。
【主なIPビジネス】
・「メタルギア」シリーズなどのアーケードゲーム化
・「GI優駿倶楽部2」のパチンコ、「七つの魔剣が支配する」のパチスロを展開
・「遊戯王カードゲーム」の25周年を記念した大型イベントを開催
記事作成日:2025年2月18日