💡この記事のポイント
✅ブロードコムがAIカスタム半導体の大型受注を発表
✅カスタム半導体はますます重要に
✅設計から開発、製造、素材など、関連の日本株・米国株をご紹介
🔎登場する主な銘柄
✅日本株:ソシオネクスト、ルネサスエレクトロニクス
✅米国株:ブロードコム、マーベル・テクノロジー
✅ブロードコムがAIカスタム半導体の大型受注を発表
✅カスタム半導体はますます重要に
✅設計から開発、製造、素材など、関連の日本株・米国株をご紹介
✅日本株:ソシオネクスト、ルネサスエレクトロニクス
✅米国株:ブロードコム、マーベル・テクノロジー
ブロードコムが100億ドル超のAIカスタム半導体を受注
【設計・開発】カスタム半導体の中核
【自社開発】自社に最適な専用半導体を開発
【メモリ】性能を左右するキーパーツ
【設計ツール・IP】複雑なカスタム設計の土台
【製造装置】半導体性能を左右する技術
【検査装置(テスタ)】半導体の品質保証を提供
【部材・素材】半導体を根底から支える
米半導体大手ブロードコム<AVGO>が、2025年5-7月期の市場予想を上回る好決算を発表しました。中でも、AI(人工知能)関連の半導体売上高が前年同期比63%増と力強く成長し、100億ドルを超えるAIカスタム半導体「XPU」の大型受注を発表したことも市場を驚かせました。
これまでAI半導体市場はエヌビディア<NVDA>の汎用的なGPU(画像処理半導体)が牽引してきましたが、今回の決算を受け、特定用途向けに設計された「カスタム半導体」の需要が本格化していることを印象付けました。
アルファベット<GOOGL>やマイクロソフト<MSFT>といった巨大IT企業は、自社のAIサービスの性能を最大限に引き出すため、独自のカスタム半導体開発に巨額の投資を行っており、データセンター向けを中心に今後もその需要は高まっていきそうです。
この記事では、AI開発で重要な役割を担うカスタム半導体について、その開発から製造、素材など、関連する日本株・米国株をご紹介します。
顧客の要望に応え、特定用途に最適化された半導体を設計・開発する企業群。AIの多様なニーズに応える高度な技術力が企業の競争力を左右します。
顧客の要望に応じてオーダーメイドの半導体(カスタムSoC:System on Chip)を設計。AIの膨大な計算処理を高速化するアクセラレーター(特定の計算を専門に行う半導体)の搭載や、複数のチップを立体的に積層する最先端技術で、データセンター向けの高性能なカスタムAI半導体開発を牽引しています。
車載半導体の世界大手ですが、その技術力を活かし、AI・産業分野向けに顧客の仕様に合わせたカスタム半導体サービスを提供。完全なオーダーメイドからセミカスタムまで、柔軟な開発体制で多様なニーズに対応しています。
通信向け半導体の巨人は、アルファベットのAIプロセッサ「TPU(Tensor Processing Unit)」を手掛けるなど、カスタム半導体のリーダー的存在。データセンターでAIの学習や推論を効率化するカスタム半導体の需要拡大を力強く捉えています。
データセンター向け半導体に強みを持ち、主要なクラウド事業者と共同でCPU(中央演算処理装置)やネットワーク用のカスタム半導体を開発。AIデータセンター内の膨大なデータを高速かつ効率的に処理するための、オーダーメイドの半導体ソリューションを提供しています。
「eASIC」という、開発期間とコストを抑えた構造化ASIC(セミカスタム半導体)を提供。これにより、これまでコスト面で導入が難しかった企業にもカスタム半導体の門戸を開き、5G基地局やデータセンターのアクセラレーターなど、幅広い分野で活用されています。
自社のサービスや製品の性能を最大化するため、半導体を独自に開発する巨大IT企業。ハードウェアとソフトウェアの垂直統合が競争力の源泉です。
自社開発AI半導体の代表例が、検索やAIサービスで活用される「TPU」。AIの機械学習に特化させることで、自社サービスの処理能力を飛躍的に向上させており、カスタム半導体開発の成功事例です。
クラウドサービス「Azure」のAI処理能力を強化するため、AIアクセラレーター「Maia」を自社開発。顧客に多様なコンピューティング環境を提供するとともに、エヌビディア製GPUへの依存を低減させ、カスタム半導体によってプラットフォームの魅力を高めています。
FacebookやInstagramのレコメンド機能など、自社サービスで多用するAIの推論処理を効率化するため、専用のカスタムAI半導体「MTIA」を開発。膨大な計算処理を低消費電力で行うことで、サービス品質の向上と運用コストの最適化を両立させています。
ネットワーク機器の最大手。AIデータセンターで急増する通信量に対応するため、自社開発のカスタムASIC「Silicon One」をルーターやスイッチに搭載。ネットワーク処理に最適化されたカスタム半導体により、競合との差別化を図っています。
AI向けカスタム半導体の性能を最大限に引き出すには、高速・大容量のメモリが不可欠です。
メモリ半導体の世界大手。AIの学習・推論に不可欠な「HBM(広帯域メモリ)」を供給しています。HBMはAI向けカスタム半導体と組み合わせて搭載されることが多く、その性能がAIシステム全体の能力を左右するため、カスタム半導体市場の拡大とともに需要が急増しています。
半導体設計に不可欠なソフトウェア(EDA)や、設計の一部として組み込める部品データ(IP)を提供する企業。
半導体の回路設計や検証を行うEDA(電子設計自動化)ツールで世界トップクラスのシェアを誇ります。複雑を極めるカスタムAI半導体の設計は、同社の高度なソフトウェアによって支えられており、AIを活用して設計プロセス自体を効率化するソリューションも提供しています。
シノプシスと並ぶEDAツールの世界的企業。特にアナログ回路や、設計した回路を物理的に配置・配線するレイアウト設計ツールに強みを持ちます。カスタム半導体の多様な要求に応える包括的な設計プラットフォームを提供し、開発期間の短縮に貢献しています。
設計データを元に、半導体ウエハー上に微細な回路を形成し、検査・実装する装置メーカー。その技術力は、カスタム半導体の性能を左右します。
世界トップクラスの半導体製造装置メーカー。AI半導体の高性能化に不可欠な、複数のチップを積層する先端パッケージングにおいて、チップを精密に接合する装置などを提供し、カスタム半導体の複雑な構造を実現しています。
半導体チップを樹脂で封止する「モールディング」装置で世界トップシェア。AI向けカスタム半導体で多用されるHBMの次世代規格に対応した新技術を確立。チップを保護し、製品の信頼性を担保する重要な工程を担います。
ウェハー上に薄い膜を形成する「成膜」装置の専業メーカー。カスタム半導体の複雑な立体構造を原子層レベルで精密に作り込むALD(原子層堆積)技術に強みを持ち、チップの性能と信頼性を左右する重要なプロセスを支えています。
完成した半導体が仕様通りに動作するかを試験・検査する装置メーカー。
完成した半導体を試験する「検査装置(テスタ)」の世界大手で、GPU向けはほぼ独占。一つ一つ仕様が異なるカスタム半導体が、設計通りに正しく動作するかを保証します。特にAIの学習に不可欠な広帯域メモリ「HBM」のテスト需要が、同社の成長を後押ししています。
半導体の電気特性を検査する際に使う「プローブカード」大手。AI向けカスタム半導体とセットで使われるHBM向けで高いシェアを誇ります。カスタム半導体の性能が高度化するほど、精密な検査技術の重要性が増していきます。
最先端半導体の製造に必要なEUV(極端紫外線)露光用マスク(回路の原版)の欠陥を検査する装置で世界シェアを独占。顧客ごとに設計が異なるカスタム半導体の製造において、その設計図となるマスクの品質を保証する重要な役割を担います。
半導体ウエハーの欠陥検査装置で世界的大手。カスタム半導体は最先端の微細なプロセスで製造されることが多く、製造工程でのわずかなゴミやキズが性能を大きく左右します。同社の検査装置は、歩留まり(良品率)の向上に不可欠です。
半導体の土台となる基板や、回路の原版となる材料など、高品質な部材を供給するメーカー。
AIサーバーに搭載される高性能なカスタム半導体を実装するための「ICパッケージ基板」で世界トップシェア。チップの性能を最大限に引き出すための超高密度な配線を形成し、AI半導体の進化を土台から支えるキープレイヤーです。
半導体の回路パターンを転写する原版「マスクブランクス」で世界シェアトップ。カスタム半導体はチップごとに回路が異なるため、その都度マスクが必要になります。最先端のEUV向け製品で高い技術力を持ち、微細化が進むカスタムAI半導体の製造に不可欠な部材を供給しています。
記事作成日:2025年9月16日
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