「ディフェンシブ関連」の米国株18選

💡この記事のポイント

✅AI関連などハイテク株からディフェンシブ株への循環物色が発生

✅ハイテク株の割高懸念と先行き不透明感から資金シフト

✅米国のディフェンシブ株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

メルクユナイテッドヘルス・グループジョンソン・エンド・ジョンソンコカ・コーラウォルマートマクドナルドネクステラ・エナジー

 

目次

AIからディフェンシブへ

メルク<MRK>

ファイザー<PFE>

アムジェン<AMGN>

イーライリリー<LLY>

ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>

ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>

エレバンス・ヘルス<ELV>

CVSヘルス<CVS>

プロクター・アンド・ギャンブル<PG>

コルゲート・パルモリブ<CL>

コカ・コーラ<KO>

ペプシコ<PEP>

モンスター・ビバレッジ<MNST>

ウォルマート<WMT>

ダラー・ゼネラル<DG>

マクドナルド<MCD>

ネクステラ・エナジー<NEE>

デューク・エナジー<DUK>

「ディフェンシブ関連」の米国株18選

AIからディフェンシブへ

2025年11月11日のニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価が3日続伸して終値での史上最高値を更新した一方で、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数は反落するなど、高安まちまちの展開となりました。

 

背景には、これまで相場を牽引してきたAI(人工知能)関連株の一部で利益確定の売りが出たことがあるようです。AIクラウド関連企業の弱い見通しや、ソフトバンクグループ<9984>がエヌビディア<NVDA>株をすべて売却したニュースなどが報じられ、高値圏にあったハイテク株から、割安感のある銘柄へと資金を移す「循環物色」の動きが見られました。

 

こうした局面で注目されるのが、「ディフェンシブ株」と呼ばれる企業群です。ディフェンシブ株とは、景気の良し悪しに関わらず、製品やサービスへの需要が比較的安定している企業の株式を指します。具体的には、医薬品などの「ヘルスケア」、食品や日用品などの「生活必需品」、電力やガスなどの「公益事業」などが代表的です。

 

市場の先行きに不透明感が出たり、これまで上昇してきた銘柄の割高感が意識されたりすると、こうした業績の安定性が期待されるディフェンシブ株に資金が向かいやすくなる傾向があるようです。

 

そこで今回は、米国の代表的なディフェンシブ関連銘柄をご紹介します。

 

 

メルク<MRK>

世界的な製薬会社です。医療用医薬品やワクチンなどを手がけており、景気動向に関わらず医薬品の需要は安定しているとされることから、代表的なディフェンシブ銘柄の一つとして知られています。主要製品の特許動向など個別要因で株価変動が出る点には留意したいところです。

 

ファイザー<PFE>

世界的な製薬企業です。ワクチン・医療用医薬品のパイプラインを多数抱え、ディフェンシブ性が意識されやすい一方で、新型コロナ関連需要の反動や特許切れ(LOE)による売上減少、開発進捗の不確実性には注意が必要です。

 

アムジェン<AMGN>

バイオテクノロジー医薬品の分野をリードする企業の一つです。革新的な治療薬を開発・販売しており、ヘルスケアセクターの中でも特に専門性の高い分野での安定した需要が期待されるようです。開発進捗や承認可否などイベントによる株価変動には注意が必要です。

 

イーライリリー<LLY>

代謝や免疫などで強みを持つ大手製薬。肥満・糖尿病領域の成長期待が評価されています。一方で、需要急拡大に伴う供給体制・原薬調達の制約、規制・安全性に関する不確実性、競合参入、そして足元の高い評価に起因する株価変動には留意したいところです。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>

現在は医薬品と医療機器が中心です。絆創膏やうがい薬などの消費者向け製品はすでに別会社「ケンビュー」として分離上場しています。医療分野の安定した需要を背景に、2本柱で収益を支える企業です。製品・医療機器の規制や訴訟リスク、薬価・償還の見直し、為替の影響を受ける場合があります。

 

ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>

米国最大級の医療保険会社であり、医療情報サービスなども提供しています。医療保険サービスは社会インフラ的な側面も持ち、安定した収益基盤を持つとされています。一方で、政策変更や医療費トレンドの影響を受けやすい側面もあります。

 

エレバンス・ヘルス<ELV>

米大手の医療保険会社です。広い会員基盤を背景に収益の安定性が意識されやすい面があります。一方、メディケア・メディケイドの料率見直し、医療費インフレによるメディカル・コスト比率の上振れ、規制・監督強化に伴う収益性変動には注意が必要です。

 

CVSヘルス<CVS>

調剤小売・PBM(薬剤給付管理)・ヘルス保険(Aetna)を抱える総合ヘルスケア企業です。事業分散は安定要因になり得ますが、PBM事業への規制・報酬体系の見直し、薬価動向、店舗運営コストや人手不足などが収益の重しとなる可能性があります。

 

プロクター・アンド・ギャンブル<PG>

「P&G」として知られる世界最大級の一般消費財メーカーです。洗剤(アリエール、ボールド)、紙おむつ(パンパース)、ヘアケア(パンテーン)など、日常生活に欠かせない多くのブランドを持っています。原材料(パルプ・石油系)価格や物流費、為替、競争激化による値引き・販促コストなどの影響を受ける可能性があります。

 

コルゲート・パルモリブ<CL>

オーラルケアや日用品の大手。必需性の高い製品群を世界展開しています。一方で、為替の影響(新興国比率が高い)、樹脂・パルプなど原材料価格の上昇、規制・地政学リスクが収益に影響する可能性があります。

 

コカ・コーラ<KO>

世界最大の飲料メーカーです。「コカ・コーラ」をはじめとする強力なブランドを多数保有しており、世界中で愛飲されています。景気に関わらず、飲料への基本的な需要は底堅いとみられています。経済環境にかかわらず一定の需要が見込まれる典型的なディフェンシブ銘柄と見られています。

 

ペプシコ<PEP>

「ペプシコーラ」などの飲料事業に加え、「レイズ」や「ドリトス」といったスナック菓子事業(フリトレー)も大きな柱となっています。食品・飲料という生活に密着した分野で強みを持っています。糖分・カフェインなどを巡る規制・課税、ボトラーとの契約関係や価格交渉、為替・原材料コストなどの影響を受ける可能性があります。

 

モンスター・ビバレッジ<MNST>

エナジードリンクで世界的に拡大してきた飲料企業。高い収益性が注目されます。他方で、ザ・コカ・コーラ・カンパニーのボトラー網に依存する流通体制、カフェインや糖分を巡る規制・課税や訴訟リスク、原材料・容器コストへの感応度には注意が必要です。

 

ウォルマート<WMT>

世界最大のスーパーマーケットチェーンを展開する小売企業です。低価格な食料品や日用品を幅広く提供しており、景気後退局面でも消費者の「節約志向」の受け皿として、業績が底堅い傾向があるとされています。価格競争の激化、食品インフレと仕入れ条件、人件費・物流費、低価格戦略による利益率の振れなどの注意が必要です。

 

ダラー・ゼネラル<DG>

米国のディスカウント小売チェーンです。日用品・食品など「毎日使う消耗品」を中心に、全米の小商圏をカバーする小型店フォーマットで展開しています。景気局面にかかわらず来店頻度が維持されやすいビジネスモデルが特徴です。一方で、消耗品比率の上昇は粗利率の逆風となる点や、賃金や家賃などコスト上昇、競争激化も収益性などに注意が必要です。

 

マクドナルド<MCD>

世界的に展開するファストフードチェーンです。手頃な価格で食事を提供しており、景気が悪化しても比較的需要が落ちにくい「外食のディフェンシブ」と見なされることもあるようです。食材・人件費の上昇、為替、フランチャイズ制度の運営、消費動向の変化などの影響を受ける可能性があります。

 

ネクステラ・エナジー<NEE>

米国の電力会社で、特に風力・太陽光発電といった再生可能エネルギー分野での発電量トップクラスを誇ります。電力は生活や経済活動に不可欠なインフラであり、公益事業セクターは伝統的にディフェンシブとされていますが、同社は成長投資が厚く、金利動向に比較的敏感な面もあります。

 

デューク・エナジー<DUK>

米国大手の電力会社。規制電力・ガスを主力とする公益大手で、料金規制(コスト回収+適正利潤)に基づくビジネスモデルのため、景気の波を受けにくいディフェンシブ銘柄とみられます。一方、金利上昇による資本コスト上振れ、規制認可次第の回収スピード、ハリケーン等の自然災害コストの回収タイミングなどが業績変動要因となり得ます。

 

記事作成日:2025年11月12日

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