💡この記事のポイント
✅エヌビディア決算に絡んだ流れを解説
✅下落の要因と今後の見方を解説
🔎登場する銘柄
✅アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、マイクロン・テクノロジー、ソフトバンクグループ、アドバンテスト

✅エヌビディア決算に絡んだ流れを解説
✅下落の要因と今後の見方を解説
✅アドバンスト・マイクロ・デバイセズ、マイクロン・テクノロジー、ソフトバンクグループ、アドバンテスト
時系列(日本時間)
エヌビディア下落の3つの要因と米国市場への影響
日本市場への波及と今後の動向
11月19日の米国市場引け後に発表された半導体大手のエヌビディア<NVDA>の2025年8-10月期決算は売上高、利益とも市場予想を上回り、四半期ベースで過去最高を更新する強い内容となりました。これにより時間外取引で株価は上昇し、その勢いを受けて東京市場でもAI/半導体関連銘柄が上昇し、日経平均は一時2,000円を超えて上昇しました。
ところが11月20日の米国市場では、エヌビディアは朝方に前日比+5.08%と急騰しましたが、勢いは続かず下落に転じ、終値では前日比-3.15%と反落したことで、AI/半導体関連銘柄に利益確定売りが波及しました。
今回はエヌビディア決算前後の市場の動きを関連銘柄と合わせて解説します。
11/20(木)朝
・エヌビディアの決算発表
2025年8-10月期決算は市場予想を大きく上回る強い内容で、時間外取引では急騰しました。
11/20(木)日本市場
・日本の半導体・AI関連株が急騰
エヌビディアの好決算を好感し、イビデン<4062>、アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>、東京エレクトロン<8035>、ソフトバンクグループ<9984>などAI/半導体関連銘柄を中心に広範囲に上昇し、日経平均を押し上げました。
11/20(木)米国市場寄り付き直後
・エヌビディアは時間外取引からの流れを受け急騰
強い決算が追い風となり、エヌビディアの株価は一時前日比+5.08%まで上昇し、大きく反発しました。
11/20(木)米国市場終盤
・エヌビディアが急反落
しかし、寄り付き以降は徐々に売られる流れとなり、前日比-3.15%となりました。AI関連への懸念がエヌビディアの好決算を上回った形です。これにより、ナスダック総合は前日比-2.2%、S&P500は前日比-1.6%とハイテク株主導で相場全体がリスクオフの動きに。
強い決算にもかかわらず、エヌビディアの株価が反落した主な要因は、以下の3点のようです。
生成AIインフラ(設備)への巨額投資が、現在の極めて高い株価水準に見合うのかという採算性や継続性への懸念が、再び市場で意識されました。このため、高PER(株価収益率)のAI関連銘柄に広く売りが広がりました。
好決算での急騰で好材料出尽くしと見た売りや、短期的なイベントを狙った買い手が利益を確定した動きもあったようです。
同日に発表された米雇用統計が「強弱混在」の結果となり、米国の年内利下げ観測が揺らぎました。金利の動向が不透明になることは、将来の成長期待で株価が高いハイテク株にとっては強い逆風となります。
これらを背景に米国市場全体では、マイクロン・テクノロジー<MU>-10.87%、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>-7.84%、オラクル<ORCL>-6.58%、パランティア・テクノロジーズ<PLTR>-5.85%、ブロードコム<AVGO>-2.14%などの半導体関連銘柄が連鎖的に下落したほか、アマゾン・ドット・コム<AMZN>-2.49%、マイクロソフト<MSFT>-1.6%、アルファベット<GOOGL>-1.15%、メタ・プラットフォームズ<META>-0.19%などハイパーグロース株(成長期待の高い株)も総じて軟調に推移しました。
一方で、景気変動の影響を受けにくい日用品や大型小売などディフェンシブ株には、リスク回避の資金が相対的にシフトする動きも見られました。
エヌビディアの株価が反落し米国市場でAI/半導体関連銘柄が下落した流れを受け、11月21日の日本市場でもAI/半導体関連銘柄がツレ安しました。
影響を受けた日本の主なAI/半導体関連銘柄
イビデン<4062>
アドバンテスト<6857>
ディスコ<6146>
東京エレクトロン<8035>
ソフトバンクグループ<9984>
フジクラ<5803>
日立製作所<6501>
レゾナック・ホールディングス<4004>
今回の動きは、強い決算が出たとしても「AI関連株への懸念」の前には株価は下がり得るという事実を投資家に突きつけました。割高感、採算性、金利動向という3点セットが、今後のエヌビディアを含むAI関連銘柄の上げ下げの振れ幅を大きく左右しそうです。
一方で、エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は、AIバブルへの懸念を否定し、強い自信を示しました。また、アドバンスト・マイクロ・デバイセズのリサ・スーCEOは、AIに関する懸念は誇張されているとして「AIバブルについては心配していません。ただ、そう考えている人たちは少し近視眼的すぎると思います。彼らはテクノロジーの力を本当に理解していないのです。」と述べました。
また強気を継続するアナリストも見られるようで、あるアナリストは投資判断「買い」を維持し、目標株価を300ドルから320ドルに引き上げました。別のアナリストも投資判断「買い」と目標株価250ドルを維持しました。
確かに「AI需要が縮小した」というわけではないので、割高感からの一時的な調整局面と見ることもできそうで、今後の動向が注目されます。
記事作成日:2025年11月21日
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