キオクシア上場で注目の国内半導体株3選/キオクシア、ソシオネクスト、ルネサス

キオクシア上場で注目の国内半導体株3選/キオクシア、ソシオネクスト、ルネサス

目次

2024年最大のIPO

キオクシアホールディングス<285A>

ソシオネクスト<6526>

ルネサスエレクトロニクス<6723>

💡この記事のポイント

キオクシアが今年最大の大型新規上場

キオクシア上場で注目集まる国内半導体株

キオクシアソシオネクストルネサスエレクトロニクス


 

2024年最大のIPO

2024年の世界の株式市場は生成AI(人工知能)ブームが巻き起こったことで、エヌビディア<NVDA>が大躍進するなど、半導体関連銘柄に注目が集まりました。ただ、半導体株と言えば、米国やアジアの企業が中心となっているのが現状です。

 

そんな中、日本の半導体企業の一つであるキオクシアホールディングスが、いよいよ東証プライム市場に上場します。国内の半導体銘柄が注目を集めるきっかけとなるのでしょうか?

 

そこで今回は、大型IPO(Initial Public Offering/新規公開株式)で注目を集めるキオクシアを含む国内の半導体株3銘柄をご紹介します。

 

キオクシアホールディングス<285A>

企業紹介

半導体メモリ製品メーカー。NAND型フラッシュメモリやSSD、SDメモリカードなどを手掛ける。

 

注目ポイント

2024年12月18日(水)、東証プライム市場に公開価格1,455円での新規上場が予定されています。2024年最後の大型IPOということもあって、投資家からの注目度も高いと言えます。

 

同社はNAND型フラッシュメモリ業界で韓国のサムスン電子、SKハイニックスに次ぐ世界3位で、旧東芝メモリが名称を変更した企業です。足元では生成AI向けの半導体需要が2025年以降拡大することを想定し、IPOで調達した資金はAI向けのメモリー半導体の増産に充てる予定です。

 

株価動向

公開価格は仮条件1,390〜1,520円の中間の1,455円に決定され、公開価格を元にした時価総額はおよそ7,840億円を見込んでいます。10月24日に上場した東京地下鉄東京メトロ)を上回る2024年最大のIPOとなるものの、今年これまでのIPOで仮条件を示した72件のうち、公開価格が上限を下回ったのは2例目で、事前の需要は低かったようです。初値以降の株価動向に注目が集まります。

 

ソシオネクスト<6526>

企業紹介

SoC(システム・オン・チップ)ソリューションを中心に事業を展開する半導体メーカー。

 

注目ポイント

同社は2015年に富士通の半導体子会社とパナソニックのシステムLSI(大規模集積回路)事業が統合して誕生した半導体のファブレスメーカー(自社工場を保有せず設計のみを行う業態)です。

 

オートモーティブやスマートデバイス等の製品開発が量産段階に移行して売上が増加。一方で、中国の5G基地局向け特需の終了やデータセンター/ネットワークなどで中国市場での需要減少によって売上が減少したため、2024年4-9月期(第2四半期累計)の決算は減収減益となりました。証券会社による目標株価の引き下げなどもあり、株価は春以降軟調な推移を余儀なくされています。

 

しかし、12月からは下落も一服。その後、特定用途に向けたカスタム半導体の設計を請け負う同業の米ブロードコム<AVGO>が前日比+24.43%の急騰。カスタム半導体でブロードコムに次ぐシェア2位の同社株に連想買いが集まり、12月16日に前日比+8.09%の大幅高となりました。

 

今期の配当金は50円、予想配当利回りは1.77%です(24/12/16現在)。

 

株価動向

株価は2024年4月12日年初来高値5,250円から8月5日安値2,310.5円まで値下がりしました。その後9月2日高値3,338円まで上昇しますが、その後は再び下落に転じ、11月27日年初来安値2,284円まで下落。12月からは反転上昇傾向で、12月16日高値2,870円まで上昇しました。

 

ルネサスエレクトロニクス<6723>

企業紹介

半導体大手。車載用マイコン(マイクロコンピュータ)は世界トップクラス。

 

注目ポイント

同社は2010年にルネサステクノロジとNECエレクトロニクスが統合して誕生した企業で、自動車メーカーとの関係が深く、車載用マイコンが主力製品です。PCB(プリント基板)設計のプラットフォームの構築を目指して、2024年8月にソフトウェア企業のAltium社を完全子会社化しました。

 

自動車向け事業は堅調だった一方、産業・インフラ・IoT向け事業が減少したことで、2024年1-9月期(第3四半期累計)の決算は減収減益となりました。証券会社による目標株価の引き下げなどもあり、株価は軟調な推移を余儀なくされています。

 

株価動向

株価は7月11日高値3,397円から8月5日安値1,831円まで値下がりしました。その後、8月22日高値2,558.5円まで上昇しましたが、その後は2,000円を挟んでもみ合う動きが続いています。

 

記事作成日:2024年12月17日

ファイナンシャルプランナー
横山利香

短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。

公開日:2024.12.17

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