💡この記事のポイント
✅2025年は「AIエージェント」や規制緩和などが注目テーマとなりそう
✅将来の「テンバガー(10倍株)」候補として期待される米国株をご紹介
✅セールスフォース、アルファベット、パランティア・テクノロジーズ
第二次トランプ政権誕生で米国市場の行方は?
米国の株式市場には、世界各国でビジネスを展開する世界規模の企業が数多く上場しています。2024年はAI(人工知能)インフラの需要拡大から半導体関連銘柄を中心に上昇が続いたことから、主要な株価指数が高値更新し世界中の投資家から注目を集めました。
そして、2025年に注目を集めそうな筆頭が「AIエージェント」です。AIが自律的に考え作業してくれる、まさに人の代わりに働いてくれるAIです。今年はこの「AIエージェント」の普及や利用拡大が進むと見られ、その関連銘柄が注目を集めそうです。
また、1月に第二次トランプ政権が誕生することもあり、規制緩和などから自動運転車や暗号資産などいわゆる「トランプ関連銘柄」も注目テーマとなりそうです。
そこで今回は2025年に株価が値上がりして、将来のテンバガー候補となるかもしれない米国株3銘柄をご紹介します。
セールスフォース<CRM>
企業紹介
企業と顧客を結ぶサブスクリプションベースの顧客管理(CRM)システム「Salesforce」を世界の企業に提供。
注目ポイント
2025年に大きく注目を集めそうなのが「AIエージェント」です。従来のAIが質問に答えるスタイルだけでなく、AIが自ら考えて作業やサポートを行うスタイルへの進化が進みそうです。新しいサービスでの活用だけでなく、人手不足問題を抱える企業、あるいは賃上げによる人件費の抑制をはかるために、「AIエージェント」の活用が増えていくと思われます。同社も様々なAIサービスが業績に貢献することへの期待から、株価は堅調な推移が続いています。
2024年8-10月期の決算発表で、AIを搭載した新サービス「エージェントフォース」が好調だったことが明らかになりました。「エージェントフォース」とは、自らの判断で作業する自立型の「AIエージェント」が営業やマーケティングを支援するサービスで、顧客サポートのチャットボットもAIが自分で判断して質問に対応できるようです。
エージェントフォースについて、同社のCEOは「2025年末までに10億のAIエージェントを顧客に導入する」「世界の労働に革命をもたらし、あらゆる業界にデジタル労働の新時代をもたらす」と自信を示し、約2年ぶりに営業担当の従業員を1,000人増員することを発表しました。
株価動向
株価は2024年5月30日安値212ドルから12月4日上場来高値369ドルまで上昇。足元では高値圏ということもあって利益確定売り等が出ているようで調整していますが、300ドル台を維持しての推移が続いています。
アルファベット<GOOGL>
企業紹介
インターネット上の検索サービス「Google(グーグル)」のほか、YouTube、Android、Chrome等を展開している持ち株会社。AIを導入したインフラやプラットフォームなどを提供。
注目ポイント
2024年12月に傘下のGoogleが量子コンピューターに使う新型半導体「Willow(ウィロウ)」を発表したことが注目されています。量子コンピューターは既存のスーパーコンピュータが数十年かかる計算を数分で解けるとされるもので、今回開発した新型半導体により量子コンピューターの実用化が前進したと見られたようです。
また、Googleも社内の業務を自動化できるAIエージェント「Google Agentspace」を昨年12月に発表。GmailやGoogleドライブだけでなく、Slack、confluence、OneDrive、Salesforce、ServiceNowなどとも横断的に連携し企業データを統合するAIエージェントとして利用できるようです。
その他、会話するように検索を補助してくれたり、画像や文章等を作成してくれる対話型生成AI「Gemini(ジェミニ)」などを活用したAIサービスはさらに拡大していきそうです。
また、第二次トランプ政権で反トラスト法(独占禁止法)や大型M&A(合併・買収)への規制緩和が期待されていることも、同社にとって追い風になると見られているようです。
株主還元策として2024年12月期からは初の四半期配当0.2ドルを実施しています。
株価動向
株価は2024年9月9日安値147.22ドルから12月17日上場来高値201.42ドルへ上昇。その後も堅調な動きが続き、直近はおよそ185~200ドル程度で推移しています。
パランティア・テクノロジーズ<PLTR>
企業紹介
政府の防衛・諜報機関をはじめ、様々な業種にAI(人工知能)を活用した情報分析ソフトを提供。
注目ポイント
2024年7-9月期決算が好調だったため上方修正を発表したことから、同社のAIソフトに対する需要が官民ともに旺盛であることが明らかになりました。12月にはクラウドサービスを対象とする米国政府の調達要件に関する認証制度「FedRAMP(Federal Risk and Authorization Management Program)」において、同社の全製品とプログラムが機密性が高い情報を扱えるFedRAMP High認可を受けたと発表しました。
従来、防衛関連はロッキード・マーチン<LMT>やボーイング<BA>などが中心でしたが、最近はサイバーセキュリティなどIT企業が受注を増やしていることから、主要顧客である米国政府の利用拡大が期待されています。また、米国陸軍との契約を最長4年間延長するなど着実に業容拡大しているようです。
また、同社は昨年9月にS&P500種に採用され、11月上旬に上場先をニューヨーク証券取引所からナスダック市場に変更しました。そして12月23日からはナスダック100指数にも採用されました。
株価動向
株価は2024年8月5日安値21.23ドル以降は、業績が好調ということもあって上昇が継続し、12月24日上場来高値84.8ドルまで上昇。2023年末の17.17ドルから2024年末の75.63ドルまで約4.4倍上昇しました。
記事作成日:2025年1月8日
ファイナンシャルプランナー
横山利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。