今年からNISA(少額投資非課税制度)を利用しはじめた人も、これまでNISAで投資してきた人もいるでしょう。
なかには、「来年から、NISAを別の金融機関に変えたいな」と考えている人もいるかもしれません。
そこで今回は、NISA口座の金融機関を変更したい人に向けて、注意点や変更方法についてお伝えします!
金融機関を変更するときの注意点
NISA口座は1人1口座と決まっていて、2つ以上の金融機関で持つことはできません。
ただし、「年単位」で金融機関の変更は可能です。
現在NISAの口座を持っていて、来年は別の金融機関でNISAの取引をしたい場合は、変更手続きをしましょう。
例えば、いま他の金融機関でNISAを開設していて、2025年からはPayPay証券でNISAの取引をしたい場合は、2024年10月1日~2025年9月30日までに変更手続きをする必要があります。
ただし、注意点が2つあります。
注意1.変更したい年に一度でも取引すると、その年の金融機関変更はできない
金融機関を変更したい年に一度でもNISA口座で取引をすると、その年はNISAの口座変更ができません。
例えば、投資信託のつみたて設定をしていて、2025年の年始にNISA口座で一度でも商品の購入をした場合は、2025年は金融機関の変更ができないのです。
2025年の年始から別の金融機関でNISAを利用したい場合は、2024年のうちに早めに変更手続きをしましょう。
注意2.過去にNISAで買った商品の「引っ越し」はできない
NISAの金融機関を変更した場合、「前の金融機関で買った商品はどうなるの?」と思う方も多いでしょう。
結論からいうと、前の金融機関に商品を置いたまま、新しい金融機関でその年のNISAの取引を始めることになります。
例えば、2024年にA証券のNISA口座で商品を買って保有し、2025年にPayPay証券に変更した場合、A証券で保有しているNISA口座内の商品を、PayPay証券のNISA口座に引っ越しすることはできません。
A証券のNISA口座で買った商品は、そのまま非課税で保有したり、売却したりできます。そして、PayPay証券で新たに2025年分の取引をすることになります。つまり、それぞれの金融機関のNISA口座で商品を管理することになります。
NISAの金融機関変更の方法は?
それでは、NISA口座の変更手続きとして、A証券からPayPay証券に変更する場合の一般的な方法を見ていきましょう。
1.廃止通知書を請求する
まず、A証券にNISA口座の金融機関変更を申し込み、「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を請求します。
この書類は、変更先の金融機関でNISA口座を開設する際に必要なものです。
2.廃止通知書を受け取る
A証券から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」を受け取ります。2つの書類の違いは以下のとおりです。
・勘定廃止通知書
変更前の金融機関でNISA口座を残したままにするための書類。変更前のNISA口座で商品を保有している人向け。
・非課税口座廃止通知書
変更前の金融機関のNISA口座を閉鎖するための書類。変更前のNISA口座で商品を保有していない人向け。
3.NISA口座の開設を申し込む
PayPay証券にNISA口座の開設を申し込みます。申込画面では、廃止通知書に記載の内容を入力してください。
その後、審査を経てPayPay証券でNISA口座が開設されます。
手続きには2週間~1か月程度かかるので、2025年から別の金融機関でNISA口座を開きたい場合は、できるだけ早めに手続きをしましょう。
金融機関によって取扱商品やサービスが異なる
金融機関によって、取扱商品やサービスが異なります。どんな商品やサービスがあるのかをじっくりチェックして、自分に合った金融機関かを確認しておきたいところです。
ちなみに、PayPay証券では、NISA口座でも利用できる「おまかせ運用」もあります。どんな商品を選んだがよいかと迷っている人に向けて、2つの投資信託から選ぶだけでつみたて投資がはじめられるサービスです。つみたて頻度は、毎日でも毎週でも毎月でも最低100円から設定できます。
それでは、来年もNISAで資産運用をしたいと思っている方に向けて、3つのファンド例を紹介します。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
三菱UFJ 純金ファンド 愛称:ファインゴールド
日系企業海外債券オープン(為替ヘッジあり) 愛称:日本びより
※詳細な商品性は目論見書をご覧ください
記事作成日:2024年11月22日
ファイナンシャルプランナー
西山美紀
出版社勤務後、2005年に独立し、FP資格を取得。生き方、マネーなどをテーマに、単に貯蓄額を増やすのではなく、日々にうるおいをもたらすお金の使い方・貯め方・増やし方を女性誌やWEBで発信。監修・講演等も。著書に『お金の増やし方』(主婦の友社)等。