下落はチャンス?調整局面のゲーム株6選

💡この記事のポイント

✅ゲーム株は資金シフトや金利上昇などで調整局面入り

✅任天堂のコスト増やスクエニの大株主動向など個別要因も

✅押し目に注目したいゲーム株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

任天堂ソニーグループカプコンスクウェア・エニックスHD


目次

ゲーム株は調整局面

任天堂<7974>

ソニーグループ<6758>

カプコン<9697>

コナミグループ<9766>

スクウェア・エニックスHD<9684>

バンダイナムコホールディングス<7832>

下落はチャンス?調整局面のゲーム株6選

ゲーム株は調整局面

8月頃まで、ゲーム株は最高値を付けるなどして強い動きを見せていました。当時、米国の関税政策が警戒され、関税の影響を受けにくいディフェンシブ株として上昇していました。


しかし、その後は流れが変わり、ゲーム株は全般的に調整局面を迎えています。その理由の一つに、市場全体の循環物色があります。ゲーム株の過熱感が高まったため、投資家の関心が、業績回復期待のある輸出関連株や、金利上昇の恩恵を受けやすい銀行株などへ移り、弱い動きとなりました。また12月に入り、日本の長期金利が約18年ぶりの水準まで上昇したことで、割高感が意識されやすくなったことも株価の上値を重くしているようです。


また、生成AI(人工知能)の普及に伴い、半導体やメモリーの需要が世界的に急増しています。需要の高まりを受け、ゲーム機に使用される部材価格も高騰しており、ハードウェアの利益率を圧迫するとの懸念が広がりました。 これにより、任天堂<7974>の株価が大きく下落する場面もありました。これは、「Nintendo Switch 2」向けのメモリー価格が上昇し、収益が悪化するとの警戒感が市場で強まったためと報じられています。


一方で、政府が重点投資を行う方針の17の戦略分野には、ゲームを含むコンテンツ産業が含まれており、今後の追い風となることが期待されます。また、株価の下落で加熱感が和らげば、中長期的な視点では投資のチャンスとなる可能性もありそうです。


そこで今回は、この押し目で注目したいゲーム株をご紹介します。


任天堂<7974>

「マリオ」や「ゼルダ」など、世界的なIP(知的財産)を持つゲーム業界の王者です。12月に入って売りが強まり、11日には一時11,100円まで下落し、約7カ月半ぶりの安値水準を付けました。


直近の売り要因として、AIブームに伴うメモリー価格の高騰により「Nintendo Switch 2」の利益が圧迫されるとの懸念があるようです。「Switch 2」への期待自体は大きいため、採算悪化リスクを織り込むなど、下げ止まりを確認したい局面です。


ソニーグループ<6758>

「PlayStation」に加え、映画や音楽のエンタメ事業のほか、半導体などを展開しています。11月13日上場来高値4,776円以降は調整が続き、4,100円台まで下落しています。


傘下のアニプレックスと東宝<9602>が手がける映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編」の世界興行収入が1,000億円を突破するなど明るいニュースもありましたが、日中関係の悪化でエンタメ事業への悪影響が懸念されているようです。

同社はゲーム単体への依存度が相対的に低いため、エンタメ事業全体の底力を評価する投資家にとっては、調整局面が押し目を拾うチャンスになるかもしれません。


カプコン<9697>

「モンスターハンター」や「バイオハザード」など、海外でも人気の高いタイトルを持つメーカーです。

7月1日には上場来高値5,015円を付けましたが、直近の決算や新作への評価が響き、3,600円台まで調整しています。


2025年4-9月期決算では、売上高が前年同期比44%増だったものの、市場予想には届きませんでした。また、2月に発売された「モンスターハンターワイルズ」のユーザー評価が低く、販売本数が伸び悩んでいるとの見方が出ており、今後の成長力への懸念につながっているようです。次回決算などで販売の回復を確認できるかが鍵となりそうです。


コナミグループ<9766>

スポーツゲームやアミューズメント機器に強みを持つ企業です。

10月31日上場来高値26,645円から22,000円台まで調整していますが、他のゲーム株と比べて底堅い動きをしています。


2025年4-9月期純利益は、同じ期間として2年連続の過去最高益と好決算でした。あるアナリストは、主力のサッカーゲーム「eFootball」が新興国を中心に好調で、売上拡大が加速すると評価しています。2026年夏季開催のサッカーワールドカップに向け、業績押し上げ効果も期待しているようです。


スクウェア・エニックスHD<9684>

「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」の2大タイトルを持つ大手メーカーです。

2025年8月18日上場来高値3,861.7円から12月11日安値2,766円まで下落し、約7カ月ぶりの安値を付けました。


下落要因の一つに、大株主でアクティビスト(物言う株主)の3Dインベストメント・パートナーズが保有株を売却しているとの見方がありました。3Dインベストメントが、業界内で売上が減少している唯一の企業といった厳しい指摘を含む資料を公表したことが背景にあります。11月には組織体制の見直しを発表し、一部で評価されましたが、下落が続いています。こうした中、12月12日には、3Dインベストメントによる同社株の保有比率14.36%から15.4%への買い増しが判明し、株価は反発しました。


バンダイナムコホールディングス<7832>

「ガンダム」や「ドラゴンボール」など、トイホビーとゲームを融合させた展開が特徴です。

8月18日上場来高値5,729円から下落基調です。11月6日に2026年3月期今期の業績予想を上方修正したものの、市場予想に届かず株価は急落し、足元は4,200円台まで下落しています。


株価は下値模索状態ですが、書き入れ時となる年末商戦を見据え、市場では業績の上振れ余地があるとの見方もあるようです。割安感があると判断されれば、反発の余地はありそうです。



記事作成日:2025年12月15日


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