原子力発電所の新増設やAI需要で注目の日米原発関連株9選

💡この記事のポイント

✅AIの普及を支えるデータセンターや半導体工場により電力需要が増加

✅安定的な「脱炭素電源」として、原子力発電が再評価の流れ

✅原発関連で恩恵が期待される日米の注目銘柄をご紹介

🔎登場する銘柄

✅日本株:関西電力三菱重工業

✅米国株:コンステレーション・エナジーヴィストラアンフェノール

 

目次

電力需要の増加で「原子力発電」が再評価

関西電力<9503>

三菱重工業<7011>

日立製作所<6501>

富士電機<6504>

コンステレーション・エナジー<CEG>

ヴィストラ<VST>

GEエアロスペース<GE>

ハネウェル・インターナショナル<HON>

アンフェノール<APH>

その他の関連株

原子力発電所の新増設やAI需要で注目の日米原発関連株9選

電力需要の増加で「原子力発電」が再評価

日本の原子力政策が、歴史的な転換点を迎えています。関西電力<9503>が美浜原発での建て替えに向けた調査開始を発表したことは、市場に大きなインパクトを与えました。

 

また、東京電力ホールディングス<9501>の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に向けた動きも、株価の大きな反発に繋がりました。

 

この背景には、AI(人工知能)の普及を支えるデータセンターや半導体工場がもたらす、莫大な電力需要の増加があります。再生可能エネルギーの拡大は重要ですが、天候に左右されない安定的な「脱炭素電源」として、原子力発電が改めて評価され始めています。

 

米国では、巨大IT企業がデータセンターの電力を原発から直接購入する動きも加速しています。「AIと原子力」は、今後も大きな投資テーマとなる可能性があります。

 

そこで、原発関連で恩恵が期待される日米の注目銘柄を紹介します。

 

 

関西電力<9503>

美浜原発での建て替え調査開始を発表し、日本の原発新増設の流れをリードする注目株となりました。AIやデータセンター需要も豊富な関西圏で電力供給を担っており、原子力の活用は同社の企業価値を大きく左右します。今後の調査の進捗や、政府の政策が追い風となるか注目されます。

 

年初来安値から直近高値までの上昇率は、東京電力HDの62.8%に対し、関西電力は23.2%で大きく出遅れており、3月21日の年初来高値1,926円も下回った水準です。

 

三菱重工業<7011>

国内の加圧水型軽水炉(PWR)のトップメーカーであり、原発のプラントエンジニアリングで中核をなす存在です。関電の美浜原発も同社製プラントのため、建て替えとなれば中心的な役割を担うことが期待されています。次世代の小型モジュール炉(SMR)開発も手掛ける、原発関連の代表的な銘柄です。

 

株価は防衛関連として注目されてきたこともあり、6月30日には3,720円まで上昇し、上場来高値を更新しました。

 

日立製作所<6501>

沸騰水型軽水炉(BWR)のプラントメーカーで、再稼働を目指す東京電力・柏崎刈羽原発も同社製のプラントです。次世代原子炉SMR「BWRX-300」の開発も進めており、国内外で受注への期待が高まっています。IT事業での強みを活かし、ハード(原子炉)とソフト(運用技術)の両面で事業機会を捉えることも期待できそうです。

 

データセンター向けなど業績好調で株価も堅調に推移し、7月24日に一時4,690円まで上昇し上場来高値を更新しました。

 

富士電機<6504>

原子力発電所の運転を制御・監視する計測機器や、放射線管理システムなどを手掛ける、プラントの安全性と安定稼働に不可欠な企業です。また、発電した電気を安定的に供給するためのパワー半導体にも強みを持ちます。原発の新増設や再稼働が進む局面では、その神経や血管ともいえる重要な部分で需要が見込まれます。

 

データセンター関連銘柄としても注目される同社ですが、株価は春以降6,500円前後でもみ合いが続き、7月24日に一時7,498円まで上昇しボックス圏を抜けました。しかし、年初来高値8,720円とはまだ大きく離れていて、波に乗れば上昇余地がありそうです。

 

コンステレーション・エナジー<CEG>

米国最大の原子力発電事業者であり、米国内のクリーンエネルギー供給をリードする存在です。AIの電力需要増に対応するため、データセンター向けに24時間365日稼働できるカーボンフリー電力を供給できる最も有力な企業と見なされています。イリノイ州の原子力発電所からメタ・プラットフォームズ<META>と20年間の電力購入契約を結ぶなど、AIの電力需要増の恩恵を最も直接的に受ける銘柄と言えそうです。

 

株価は4月7日年初来安値161.35ドルから7月23日高値343.23ドルまで上昇しましたが、1月23日上場来高値352ドルはまだ抜けていません。

 

ヴィストラ<VST>

天然ガス、原子力、太陽光など、多様な電源を持つ米国の大手総合エネルギー企業です。テキサス州で最大級のコマンチピーク原子力発電所を運営しています。AIデータセンターのハブとなりつつあるテキサス州に位置する地理的な優位性を活かし、データセンターの電力需要を大きなビジネスチャンスと捉えているようです。

 

株価は4月7日年初来安値90.51ドルから7月23日に207.12ドルまで上昇し、上場来高値を更新しました

 

GEエアロスペース<GE>

エネルギー事業子会社GEベルノバを通じて、日立と共同で次世代原子炉SMR「BWRX-300」を開発しています。GE本体も航空機エンジンなどで高い技術力を持ち、原子力分野においても重要な役割を担っています。プラントの設計・建設という観点から、テーマの中核をなす一社です。

 

株価は4月7日年初来安値159.36ドルから7月17日に272.8ドルまで上昇し、上場来高値を更新しました

 

ハネウェル・インターナショナル<HON>

航空宇宙からビル管理まで手掛ける米国の巨大コングロマリットですが、原子力分野でも重要な役割を担っています。原子炉の運転を制御する最先端のオートメーション・コントロールシステムや、安全性を確保するための計測機器などを提供しており、原発の「頭脳」と「神経」を支えるハードウェア面のキープレイヤーです。

 

株価は2021年以降およそ170〜230ドル程度で推移していましたが、2024年11月上場来高値242.77ドルまで上昇。その後今年4月9日年初来安値179.36ドルまで下落。直近は240ドル台まで上昇し、上場来高値に迫りました。

 

アンフェノール<APH>

電子機器などをつなぐ「コネクタ」で世界トップクラスのメーカーです。原子力分野では、原子炉の温度や圧力を監視するシステムなど、万が一にも故障が許されない最も重要な部分で使われる、極めて高い信頼性と耐久性を持つ特殊なコネクタやケーブルを供給しています。また、コネクタはAIデータセンター向けを中心に好調で、好業績が続いています。

 

株価は長期上昇基調で、4月7日年初来安値56.45ドルから7月23日に108.85ドルまで上昇し、上場来高値を更新しました

 

その他の関連株

東京電力

中部電力

九州電力

北海道電力

明電舎

IHI

三菱商事

三井物産

鹿島建設

大林組

ネクステラ・エナジー 

イートン・コーポレーション

キャタピラー

 

 

記事作成日:2025年7月24日

 

金融商品取引法に基づく表示事項

●本資料をお客様にご提供する金融商品取引業者名等
商号等:PayPay証券株式会社 https://www.paypay-sec.co.jp
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2883号
加入協会:日本証券業協会
指定紛争解決機関:特定非営利活動法人 証券・金融商品あっせん相談センター
●リスク・手数料相当額等について
証券取引は、株価(価格)の変動等、為替相場の変動等、または発行者等の信用状況の悪化や、その国の政治的・経済的・社会的な環境の変化のために元本損失が生じることがあります。
お取引にあたっては、「契約締結前交付書面」等を必ずご覧いただき、
「リスク・手数料相当額等(https://www.paypay-sec.co.jp/service/cost/cost.html)」について内容を十分ご理解のうえ、ご自身の判断と責任によりお取引ください。

免責事項等
●本資料は、投資判断の参考となる情報の提供を目的とし、投資勧誘を目的としたものではありません。投資の最終決定はお客様ご自身の判断で行ってください。
●本資料は、信頼できると考えられる情報源に基づいて作成されたものですが、基にした情報や見解の正確性、完全性、適時性などを保証するものではありません。本資料に記載された内容は、資料作成日におけるものであり、予告なく変更する場合があります。
●本資料に基づき行った投資の結果、何らかの損害が発生した場合でも、理由の如何を問わず、PayPay証券株式会社は一切の責任を負いません。
●電子的または機械的な方法、目的の如何を問わず、無断で本資料の一部または全部の複製、転載、転送等は行わないでください。