話題の「シクリカルバリュー投資」で注目の日米株8選

💡この記事のポイント

✅話題の「シクリカルバリュー投資」は景気の波で狙う割安株

✅株価が出遅れていて配当利回りが高いものも多い

✅大きなリターンが狙えるが、見極めは難しい

✅シクリカルバリューで注目される可能性のある8選と32銘柄

🔎登場する銘柄

✅日本株:トヨタ自動車AGC

✅米国株:ダウデルタ・エアラインズ


目次

景気敏感株×割安株の投資手法

トヨタ自動車<7203>

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>

信越化学工業<4063>

AGC<5201>

フォード・モーター<F>

ダウ<DOW>

エクソン・モービル<XOM>

デルタ・エアラインズ<DAL>

話題の「シクリカルバリュー投資」で注目の日米株8選

景気敏感株×割安株の投資手法

最近、株式市場で「シクリカルバリュー投資」という言葉を耳にする機会が増えてきました。これは、景気の波に乗って成長する「景気敏感株(シクリカル株)」の中から、まだ株価が「割安(バリュー)」な状態にある銘柄に投資する手法のことです。

 

業績が良くなかったり赤字で、株価が低迷している状態から、景気の回復・拡大が期待される局面では、こうした銘柄が市場の平均を大きく上回るパフォーマンスを見せることがあります。

また、株価が出遅れているため、配当利回りが高いものも多いようです。

 

逆に、シクリカルバリュー投資は大きなリターンを狙える反面、低迷が長引き株価も下落する可能性があります。しっかり調べて見極めは慎重に行う必要がありますが、実際にこの手法で大きく資産を増やしている個人投資家もいることから注目を集めているようです。

 

この記事では、成長株投資とは違って、景気循環での株価上昇を狙う、シクリカルバリュー投資の考え方で注目される可能性のある、日本株と米国株を合計8銘柄ピックアップしてみました。

 

トヨタ自動車<7203>

自動車業界は、景気動向を最も反映しやすい代表的な景気敏感業種です。2024年に発覚した認証不正問題に伴う一部車種の生産停止の影響や、EV(電気自動車)・AI(人工知能)への投資負担増、円高ドル安、そして米国の関税と、この一年は逆風に苦戦した印象です。自動車関税が15%に引き下げられ業績上振れ期待で急反発しただけに、今後に期待したいところです。

 

世界トップクラスの自動車メーカーでありながら株価指標には割安感も見られるため、これらの課題が解消に向かい、景気拡大が続けば、株価が見直される可能性があります。予想配当利回りは3.4%。

 

三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>

銀行株は、金利の動きに業績が大きく左右される景気敏感株の代表格です。日本の「金利のある世界」への移行は、銀行の利ざや(貸出金利と預金金利の差)を改善させ、収益を大きく押し上げる要因となります。

 

国内最大の金融グループでありながら、PBR(株価純資産倍率)1.2倍程度で依然として低水準にあり、今後の金利上昇局面で大きな見直し買いが期待されるバリュー株です。予想配当利回りは3.24%。

 

信越化学工業<4063>

半導体シリコンウエハーと塩化ビニル樹脂で世界トップクラスの化学メーカーです。半導体市況や世界的な建設需要といった、景気の大きな波に業績が連動します。

 

現在はAIブームを背景に半導体需要の回復が鮮明になっており、市況の底入れからの本格的な業績回復が期待される局面ですが、2026年3月期今期の見通しが市場予想に届かず急落したばかりです。予想配当利回りは2.33%。

 

AGC<5201>

建築用や自動車用のガラスで世界トップクラスのシェアを誇る素材メーカーです。景気が上向くと、世界中でビルの建設や自動車の生産が活発になるため、同社のガラス需要も大きく増加します。

 

素材業種は市況に左右されやすいシクリカル株で、回復局面では大きな業績改善が期待される代表的な景気敏感株です。株価は昨春から下落基調ですが、2025年1-3月期に黒字転換し、そろそろ底打ちの気配を見せ始めているようです。予想配当利回りは4.7%。

 

フォード・モーター<F>

自動車業界は景気動向に敏感な代表的なシクリカル業種です。フォードは、特に米国市場でのピックアップトラックやSUVの販売が収益の柱となっています。景気回復局面では、個人消費や企業の設備投資意欲が向上し、自動車販売が伸びる傾向があります。

 

EVへの移行期における投資負担は大きいものの、EV税額控除の終了はガソリン車が大半を占めるフォードにはプラスの面もありそうです。予想PER(株価収益率)は約10倍でバリュー領域にあり、景気拡大の恩恵を受けやすい銘柄として注目されます。予想配当利回りは5.97%。

 

ダウ<DOW>

世界最大級の総合化学メーカーであり、その製品は建設、自動車、包装など幅広い産業で使われています。景気が拡大する局面では、これらの産業活動が活発になるため、同社の製品需要も増加します。

 

世界経済の体温計ともいえる化学業種の代表格であり、景気回復の恩恵を受けやすい銘柄です。株価は昨年から下落基調で、2025年4-6月期決算が予想を下回り急落し年初来安値を更新。2020年以来の水準まで低迷しています。予想配当利回りは9.19%。

 

エクソン・モービル<XOM>

世界最大級の総合エネルギー企業です。原油価格は、世界経済の需要動向を映す鏡であり、景気拡大期には上昇する傾向があります。景気回復に伴うエネルギー需要の増加は、同社の業績と株価を直接的に押し上げる要因となります。また、トランプ政権の政策が石油需要を上下どちらにも動かす可能性があります。

 

株価は2023年以降およそ100~120ドル程度の狭いレンジでのもみ合いが続いています。2024年10月上場来高値126.34ドルを超えてボックス圏を抜く動きとなるか注目です。予想配当利回りは3.63%。

 

デルタ・エアラインズ<DAL>

航空業界は、人々の旅行やビジネスでの移動が活発になる景気拡大期に、業績が大きく改善する典型的な景気敏感業種です。コロナ禍からの回復も著しく、旅行需要の力強さが続けば、さらなる業績拡大が期待されます。

 

トランプ政権の政策や関税などに伴う先行き不透明感から、株価は1月21日上場来高値69.98ドルから4月4日年初来安値34.74ドルへ下落。その後50ドル前後でのもみ合いが続き、直近は55ドル前後で推移しています。世界的に関税の混乱が収束に向かえば、上値追いの可能性もありそうです。予想配当利回りは1.06%。


 

その他の関連株

積水ハウス

旭化成

資生堂

ENEOSホールディングス

日本製鉄 

神戸製鋼所

JFEホールディングス

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本田技研工業

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日本郵船

商船三井

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住友商事

三井住友フィナンシャルグループ

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シャーウィン・ウィリアムズ

スリーエム

フリーポート・マクモラン

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JPモルガン・チェース

ウェルズ・ファーゴ

 

 

記事作成日:2025年7月25日

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