💡この記事のポイント
✅政府が1,200億円の基金創設で造船業を支援
✅海運×造船の連携で次世代船を開発
✅国策で注目が集まる「造船関連」の日本株をご紹介
🔎登場する主な銘柄
✅三井E&S、名村造船所、三菱重工業、日本郵船、商船三井
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✅政府が1,200億円の基金創設で造船業を支援
✅海運×造船の連携で次世代船を開発
✅国策で注目が集まる「造船関連」の日本株をご紹介
✅三井E&S、名村造船所、三菱重工業、日本郵船、商船三井
造船業に官民で1兆円規模の投資
海運大手と造船大手が次世代船の開発へ
三井E&S<7003>
名村造船所<7014>
三菱重工業<7011>
日本郵船<9101>
商船三井<9104>
川崎汽船<9107>
川崎重工業<7012>
IHI<7013>
その他の関連銘柄
かつて世界シェアの半数を握っていた日本の造船業。近年は中国や韓国の台頭により1割程度までシェアを落としていましたが、ここに来て「造船業の復権」を目指す大きな動きが出てきました。
2025年11月、国土交通省は造船業の再生に向けた「造船業再生基金」の創設を発表し、2025年度の補正予算案に1,200億円を計上しました。さらに、安定供給のために政府が資金を出す仕組みのある「特定重要物資」に船体を追加指定し、国として造船業を支える姿勢も打ち出しています。
また、政府は2035年の建造量を2024年の2倍に引き上げる目標を掲げており、官民合わせた投資額は今後10年間で1兆円規模になる見通しです。
政府の支援だけでなく、民間企業も動いています。日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運大手3社が、国内造船トップの今治造船(非上場)や三菱重工業<7011>と連携し、次世代船の開発を行う設計会社「MILES(マイルズ)」に出資することが報じられました。
これまで、日本の造船は顧客ごとのオーダーメイドが主流でしたが、これが生産効率を下げる要因にもなっていました。今回、船を使う「海運会社」と船を作る「造船会社」が資本レベルで手を組むことで、設計の共通化を進め、コスト競争力を高める狙いがあるようです。特に、脱炭素社会に向けたアンモニア燃料船や、CO2を運ぶ液化CO2運搬船などの次世代船の開発で世界をリードしようとしています。
このように、造船業は官民で取り組みが進んでいる「国策」として注目したい業界です。ここからは、この追い風による恩恵が期待できる日本株をご紹介します。
舶用ディーゼルエンジンで国内トップを誇る企業です。
造船業の復活には、船体だけでなくエンジンの進化も欠かせません。同社は、環境規制の強化に対応した「次世代燃料エンジン(水素やアンモニアなど)」の開発に注力しています。 また、米国での港湾クレーン需要(中国製からの置き換え特需)という別のテーマも抱えており、インフラ整備と造船の両面で注目される銘柄です。
造船事業を中核に、船舶修繕事業や鉄構事業なども行う独立系メーカーです。
他の重工系企業が防衛やエネルギーなど多角化しているのに対し、同社は造船事業の比率が高いため、造船市況の好転や支援策の恩恵をダイレクトに受けやすい特徴があります。 近年は業績回復に伴い復配(配当の復活)を行うなど、株主還元への意識も高まっています。造船セクターの動向を見る上で外せない銘柄の一つです。
防衛・宇宙・エネルギーを手がける日本の総合重機トップです。海運3社が出資する設計会社マイルズの筆頭株主でもあります。
造船においては、今治造船など国内造船所と連携し、三菱重工業は設計やエンジニアリングといった上流部分の強化を進めています。官民一体で進む次世代船開発の中で、日本の造船復権の司令塔的な役割が期待されます。
国内最大級の海運会社であり、三菱グループの中核企業です。
マイルズへの出資に関連し、国内造船所へ船舶の優先発注を検討するなど、日本の造船業支援に積極的な姿勢を見せています。 また、総合物流企業として陸・海・空を網羅する中、脱炭素に向けたLNG(液化天然ガス)船やアンモニア船への投資を加速させています。
予想配当利回り4.57%も魅力です。
海運大手の一角で、エネルギー輸送に強みを持つ企業です。
風を動力に変える風力補助推進システム「ウインドチャレンジャー」の開発など、環境技術への投資に積極的です。マイルズへの出資による連携強化で次世代船の調達コストが下がれば、同社の競争力向上にも直結します。 また、海運だけでなく、不動産や風力発電事業など、事業の多角化を進めている点も特徴です。
予想配当利回りは4.5%と高配当です。
海運大手の一角で、特定の船種(自動車船やドライバルク船)に経営資源を集中させ、収益の柱としています。
株主還元に積極的な企業としても知られ、自社株買いや増配を機動的に行っています。マイルズへの資本参加で造船を支援し、将来的な船隊整備が進めば、さらなる効率化と利益率の向上が期待できそうです。
予想配当利回りは5.79%と高水準です。
鉄道車両やバイクでも有名ですが、造船分野では「液化水素運搬船」のパイオニアです。
液化水素は-253度まで水素を冷却し液化したもので、大量の水素を安全に運ぶ技術を持っています。政府が目指す2035年の目標達成には、こうした次世代エネルギー船の普及も重要です。 潜水艦の建造など防衛分野でも実績があり、高度な技術力を背景に、量産船とは異なる高付加価値・特殊船に強みがあります。
総合重機大手で、航空機エンジンに強みを持ちますが、アンモニア関連技術で先進的な取り組みを進めています。
石炭火力発電所でアンモニアを混ぜて燃やす技術や、船舶用アンモニアエンジンの開発を進めており、次世代船開発のテーマと深く関わります。 造船そのものというよりは、船を動かす心臓部(エンジン)や燃料供給チェーンの構築において、重要な役割を担う企業です。
日本製鉄
JFEホールディングス
神戸製鋼所
※予想配当利回りは2025年12月2日時点(出所:QUICK)
※予想配当利回りは予想配当より算出しており、確定しているものではありません
記事作成日:2025年12月2日
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