景気に左右されにくい!「ディフェンシブ」な高配当株10選

💡この記事のポイント

✅ディフェンシブ銘柄とは、不況時でも需要が落ちにくい業種

✅安定した収益基盤を持つため、配当の維持や増配が期待しやすい

✅ディフェンシブで高配当の日米株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

✅日本株:NTTソフトバンク王子ホールディングス

✅米国株:エーティー・アンド・ティーファイザークラフト・ハインツ

 

目次

「ディフェンシブ」な高配当株とは?

景気に左右されにくい3つの業種

日本のディフェンシブ高配当株

米国のディフェンシブ高配当株

初心者の方へ

景気に左右されにくい!「ディフェンシブ」な高配当株10選

高配当株シリーズ第4回、今回のテーマは「ディフェンシブ株」です。市場の変動が激しい時期でも、私たちの生活に欠かせないサービスを提供する企業は、比較的業績が安定している傾向にあります。高配当なディフェンシブ株は、ポートフォリオに加えたい候補の一つになるはずです。

 

 

「ディフェンシブ」な高配当株とは?

ディフェンシブ株とは、景気が悪くなっても、人々の生活に欠かせない商品やサービスを提供しているため、売上や利益が落ちにくい企業の株のことを指します。

たとえば次のようなイメージです。

 

・通信料金やインターネット料金は、景気が悪くなっても急にゼロにはなりにくい

・医薬品は、景気にかかわらず必要な人には必要な支出になりやすい

・食品や日用品などの生活必需品は、多少節約しても完全にはなくならない

 

こうした業種は、景気に敏感な自動車や半導体、鉄鋼などと比べて、業績や株価が比較的落ち着きやすいとされ、「守りに強い」と説明されることが多いです。

 

配当金を受け取りながら長期保有したい投資家にとっては、こうしたディフェンシブな高配当株は、ポートフォリオの「土台」として検討しやすい存在と言えるかもしれません。

 

ただし、ディフェンシブ株であっても、株価が下がらないと約束されているわけではなく、業績悪化や規制の変更、金利動向などによって株価も配当も変動する点には注意が必要です。

 

 

景気に左右されにくい3つの業種

ここでは、ディフェンシブ株としてよく取り上げられる3つの業種を整理しておきます。

 

通信

携帯電話やインターネット回線などを提供する企業です。

 

・生活インフラとして、個人も企業も通信サービスを使い続ける傾向があります

・契約が継続する「ストック型」の売上が中心で、収益が比較的安定しやすいとされています

・大規模な設備投資が必要な一方で、参入障壁が高く、少数の大手企業に集約されやすい特徴もあります

 

医薬品

医薬品メーカーは、処方薬やワクチン、一般用医薬品などを提供しています。

 

・病気の治療や予防に必要なため、景気が悪くなっても需要が大きく減りにくい

・特許で守られた主力製品があると、高い収益力を維持しやすい一方、特許切れのタイミングなどで業績が変動することもあります

・研究開発費が大きく、長期的な視点で業績やパイプライン(開発中の薬)を見ていく必要があります

 

生活必需品

食品や飲料、日用品、洗剤など、日常生活で欠かせない商品を扱う企業に加え、ティッシュペーパーやトイレットペーパー、段ボールなどを供給する紙パルプ企業も、生活を支える分野と言えます。

 

・家計が引き締まっても、完全には削りにくい支出のため、売上が比較的安定します

・長年にわたってブランド力を築いてきた企業が多く、価格転嫁(原材料高を販売価格に反映させること)がしやすい場合もあります

・一方で、成熟市場となっていることが多く、大きな成長よりも安定配当を重視する投資家に選ばれやすいと言われます

 

 

日本のディフェンシブ高配当株

NTT<9432>

国内最大級の通信事業者です。携帯電話や光回線、法人向けネットワークなど幅広いサービスを展開しています。業績は安定しており、ここ数年は増配基調が続いています。予想配当利回りは3.39%。

 

ソフトバンク<9434>

スマートフォン通信を中心に、決済や金融、IT関連サービスも手掛ける企業です。ここ数年安定して高水準の配当を維持しています。一方で、利益の多くを配当に回しているため、業績が悪化したときに同じ水準の配当を続けにくくなるおそれがある点は理解しておきましょう。予想配当利回りは3.95%。

 

武田薬品工業<4502>

日本を代表するグローバル製薬企業です。消化器系疾患や希少疾患などに強みを持ち、海外売上比率が高いのが特徴です。長年にわたり一株当たり配当金を維持しており、高配当株としても知られています。ただし、為替の影響や特許切れなど、医薬品特有のリスクにも目を配る必要があります。予想配当利回りは4.43%。

 

日本たばこ産業<2914>

たばこ事業を柱に、食品や医療事業も展開する企業です。世界のたばこ市場で高いシェアを持ち、海外収益の比率も高いことで知られています。国内では喫煙者減少という構造要因がある一方で、海外事業の拡大やコストコントロールにより、比較的安定した配当を維持してきた実績があります。予想配当利回りは4.04%。

 

王子ホールディングス<3861>

段ボールや包装用の板紙、印刷用紙、ティッシュペーパーやトイレットペーパーなどの生活関連製品を手がける総合紙パルプ企業です。国内外で幅広く事業を展開しており、EC(ネット通販)の普及による包装需要など、中長期的に一定の需要が見込まれる分野を多く抱えています。近年、年間配当金を段階的に引き上げており、2024年3月期の年間16円から、2025年3月期には24円、2026年3月期予想では36円と増配が続いています。予想配当利回りは4.23%。

 

米国のディフェンシブ高配当株

ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ>

米国大手の通信会社で、携帯通信やブロードバンド回線などを提供しています。米国の高配当株として広く知られています。長期にわたり連続増配を続けており、配当の継続性を重視する投資家からも注目されています。予想配当利回りは6.71%。

 

エーティー・アンド・ティー<T>

米国通信大手の一角で、携帯サービスやブロードバンド回線を展開しています。事業構造の見直しを進めながら、高めの配当水準を維持してきた銘柄です。過去には減配も経験しているため、今後の事業戦略や配当政策の動きも注視したいところです。予想配当利回りは4.6%。

 

ファイザー<PFE>

新型コロナワクチンで一躍注目された大手製薬会社です。コロナ関連収益の反動減などから業績の変動はありますが、長年配当を支払い続けている実績があります。ここ数年も堅調に配当金を増やし続け、高い配当利回りとなっています。予想配当利回りは6.7%。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>

医薬品や医療機器、消費者向けヘルスケア製品などを手掛ける世界的大手企業です。25年以上連続増配している「配当貴族」を上回る、60年以上増配を続ける「配当王」。安定感のあるヘルスケア銘柄として位置づけられています。配当利回りは極端に高いわけではありませんが、配当の継続性や企業規模を重視したい投資家に選ばれやすい銘柄です。予想配当利回りは2.47%。

 

クラフト・ハインツ<KHC>

ケチャップやソース、マカロニ&チーズ、チーズ製品など、世界的に知られた加工食品ブランドを多数抱える食品・飲料メーカーです。家庭での食事や惣菜、外食チェーン向けなど、日常的な食のシーンを支える商品が多く、景気の変動があっても一定の需要が見込まれやすい分野と言えます。配当については、2019年以降、1株あたり四半期0.4ドル(年間1.6ドル)の水準を継続しており、2025年12月時点でも同水準の配当が続いています。予想配当利回りは6.48%。

 

初心者の方へ

ディフェンシブ株も「安全保証」というわけではありません。配当利回りだけで判断せず、業績や配当の推移、配当性向を確認することが大切です。米国株は為替の影響も受けます。まずは少額から、日本株・米国株や業種を分散しながら、自分のペースで慣れていくイメージを持つと安心しやすいかもしれません。

 

※ご紹介した配当利回りは記事作成時点(2025年12月18日時点)の情報を元にしています。

 

記事作成日:2025年12月18日

 

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