アクティビスト(物言う株主)が保有する日米株8選

💡この記事のポイント

✅アクティビストの提案で企業価値が高まる可能性

✅株式の保有判明後に株価が急騰するケースも

✅アクティビストが介入している日米株をご紹介

🔎登場する主な銘柄

✅米国株:リフトAMDセールスフォース

✅日国株:ソフトバンクグループ住友不動産メルカリ


目次

アクティビストの提案で株価上昇に期待

リフト<LYFT>

フィリップス66<PSX>

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>

セールスフォース<CRM>

ソフトバンクグループ<9984>

住友不動産<8830>

オムロン<6645>

メルカリ<4385>

アクティビスト(物言う株主)が保有する日米株8選

アクティビストの提案で株価上昇に期待

株主総会などで、アクティビスト(物言う株主)による企業への提案が急増しています。提案内容は、株主還元を含む資本効率の改善役員の交代など多岐に渡りますが、基本的には、企業価値の向上を目指すもので、株主にとっては歓迎すべきものと言って良いでしょう。実際、著名なアクティビストの保有が伝わると、株価が急騰するケースが目立っています。


アクティビストといえば、米国のエリオット・インベストメント・マネジメントや、サード・ポイントが有名ですが、香港に拠点を置き、米国や日本市場でも活動するオアシス・マネジメントも知られています。また、国内では旧村上ファンド関連のシティインデックスイレブンスも注目されています。


今回は、著名なアクティビストが介入している日米の銘柄をピックアップしました。


リフト<LYFT>

米国カリフォルニア州やカナダで、自家用車のドライバーと移動したい個人をマッチングさせるライドシェアサービスを展開しています。


2025年4月29日には、エンジン・キャピタルがリフトに7億5,000万ドルの自社株買いを急ぐように要請しています。翌月には、リフトは自社株買い枠を7億5,000万ドルに拡大しました。


株価は、アクティビストの提案を受けて4月後半から大きく上昇、5月中旬以降は上値の重い展開が続いていましたが、8月中旬以降に再び上昇に転じ、直近は20ドル前後で推移しています。


フィリップス66<PSX>

石油・天然ガスの輸送、化学製品の製造・販売、原油の精製などを手がけています。


2025年2月、エリオット・インベストメント・マネジメントによる25億ドル以上の持分保有が報じられました。5月の年次総会では、エリオットが推薦した新たな取締役2名が選任され、資産売却業績の改善を要求しています。


株価は、4月9日年初来安値91.01ドルを底に反発局面入りし、9月26日年初来高値142.35ドルまで買われました。ただ、全体相場の勢いに比べ、やや出遅れ感があり、直近は135ドル前後で推移しています。


アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>

マイクロプロセッサーやチップセットなどの製造を手がけている半導体メーカー。M&A(合併・買収)でAI(人工知能)向け事業も強化しています。


著名投資家であるダニエル・ロープ氏が率いるヘッジファンド「サード・ポイント」が同社株を保有しています。AMDに株主提案はしておらず、純投資が目的のようです。また、2025年10月には、「チャットGPT」を手がけるオープンAI社にAI(人工知能)半導体を供給する複数年契約を結ぶと発表し、株価が大幅高しています。


株価は4月8日年初来安値76.48ドルから10月29日年初来高値267.08ドルへ上昇。直近は250ドル前後で推移しています。


セールスフォース<CRM>

クラウドベースのCRM(顧客管理)プラットフォームで世界的な大手企業です。


2023年には、エリオット・マネジメントやバリューアクト・キャピタルなど、複数のアクティビストが相次いで同社に投資しました。これらのファンドは、高コスト体質の改善や、より規律あるM&A(合併・買収)戦略、株主還元の強化などを求めたとされています。また、2025年にはスターボード・バリューが持分を約5割増やしたと開示しました。収益性やコスト管理の継続的な改善を促す立場のようです。


株価は1月28日年初来高値367.09ドルから8月12日年初来安値226.48ドルへ下落。その後ももみ合いが続き、直近は250~260ドル前後で推移しています。


ソフトバンクグループ<9984>

世界中のテクノロジー企業へ投資を行う、日本を代表する投資会社です。


2020年や2024年に、米国の著名なアクティビストであるエリオット・マネジメントが同社株を大規模に取得したと報じられました。エリオットは、2024年に約20億ドル規模の再投資を行い、150億ドルの自社株買いを要請。ガバナンスの向上や大規模な自社株買いなどを通じて株価を高めるよう働きかけているとされています。AI投資とのバランスが論点で、資本政策の方向性が注目されています。


株価は、4月7日年初来安値5,730円から10月29日上場来高値27,695円へ上昇。その後は上昇一服となり、直近は23,000円前後で推移しています。


住友不動産<8830>

総合不動産大手。賃貸、分譲、ホテル事業などを多角的に展開しています。


米国のエリオット・インベストメント・マネジメントが、2025年3月末時点で同社株を2.99%保有していることが明らかになりました。10月7日には、エリオットが住友不動産の株式持ち合い先企業に対して、同社株の買い取りを打診していたことが報じられました。もし、持ち合い先企業が株式を売却すれば、住友不動産もその企業の株式を売却しやすくなり、その売却資金を有効活用できる可能性もあります。エリオットはこれまで住友不動産に対して、ガバナンスの改善など企業価値の向上を求めています。


株価は1月14日年初来安値4,732円から、10月7日の報道を受けて株価は上場来高値となる7,315円まで上昇しています。直近は6,600円前後で推移しています。


オムロン<6645>

制御機器大手。電子部品や車載機器も手がけています。


2025年7月、投資会社のジャパン・アクティベーション・キャピタル(JAC)がオムロンに対する投資を発表。JACはオムロンとパートナーシップを結び、市場シェア拡大海外事業の強化を支援していく考えを明らかにしました。JACの持つネットワークで、企業価値の向上を後押ししていくとのことです。


株価は1月6日年初来高値5,336円から7月7日年初来安値3,503円へ下落。JACとのパートナーシップが発表され急騰後、株価はしばらく横ばいで推移していましたが、10月27日高値4,544円まで上昇。ただ、年初来高値には未達で出遅れ感もありそうです。


メルカリ<4385>

フリマアプリで国内トップ。米国でのフリマ事業も強化しています。


同社株を香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントが3.95%を保有しています(2025年6月30日時点)。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」とし、「株主価値を守るため、重要提案行為を行うことがある」としています。営業利益はここ数年、着実に上向いているだけに株価のV字回復に期待したいところです。


株価は1月14日年初来安値1,631円から6月19日年初来高値2,871円へ上昇。そこから調整が続き、10月14日安値2,069円まで売られました。直近は2,250円前後で推移しています。



記事作成日:2025年11月6日


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