💡この記事のポイント
✅中国株がディープシークの台頭以降、堅調に推移している
✅米国経済の不透明感で米国株の先行きが懸念されている
✅インドなども含めた新興国ファンドへの乗り換えや追加も
✅中国株がディープシークの台頭以降、堅調に推移している
✅米国経済の不透明感で米国株の先行きが懸念されている
✅インドなども含めた新興国ファンドへの乗り換えや追加も
ファンド概要
月次レポートから
皆さま、こんにちは。PayPay証券オウンドメディア「資産運用の1st STEP」編集長の臼田琢美です。「注目ファンドを深掘り」このシリーズでは、当社取扱投資信託の中から1本をピックアップしてご紹介していきます。投信選びの参考にしていただければ幸いです。
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | |
・新興国株に分散投資できるインデックスファンド ・地域別は、中国29.7%、台湾17.9%、インド16.5%、韓国9.2%、サウジアラビア3.9% ・組入上位には、台湾セミコンダクター、テンセント、アリババ、シャオミなど ・業界最低水準の運用コストを目指すeMAXIS Slimシリーズ | |
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
タイプ | インデックス型:つみたて投資枠、成長投資枠 |
コスト | 購入時手数料:なし、信託財産留保額:なし 運用管理費用(信託報酬):年率0.1518%(税込)以内 |
その他 | 原則為替ヘッジなし 純資産総額:1,873.03億円 |
※データは2025年2月28日時点 |
中国株は2016年以降、上海総合指数で見るとおよそ2,500~3,500ポイントでのもみ合いが続いています。しかし、2024年9月18日安値2,689.7ポイントから10月8日高値3,674.4ポイントまで一気に上昇しました。
これは中国政府による景気刺激策の発表がキッカケです。ゼロコロナ政策での景気回復の遅れを取り戻す方向転換で株価は急騰しました。
そして2024年年末頃から中国の新興企業ディープシークによる低コストAI(人工知能)が話題になりはじめ、今年1月にはエヌビディア<NVDA>など半導体株が急落する「DeepSeekショック」が発生しました。
一方で、堅調な中国株を象徴するかのように、ある金融機関が中国のハイテク株7社を「セブン・タイタンズ(7社の巨人)」と名付けました。これは米国のマグニフィセント・セブン(壮大な7社)を真似たもので、将来性に期待しての命名でしょう。
その7社は、総合ネット企業の騰訊控股(テンセント)、ECやクラウドのアリババ集団、スマホや家電の小米(シャオミ)、半導体製造の中芯国際集成電路製造(SMIC)、EV(電気自動車)やバッテリーの比亜迪(BYD)、ECの京東集団(JDドットコム)、ECやゲームの網易(ネットイース)です。
マグニフィセント・セブン(アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベット、アマゾン・ドット・コム、メタ・プラットフォームズ、テスラ)が、トランプ大統領の相互関税などで全銘柄年初から大きく下落している中、中国のセブン・タイタンズは下げ幅は小さく高値圏で推移している銘柄もあり年初と比べて全銘柄が上昇しています。
銘柄 | 騰落率 |
SMIC | +42.79% |
アリババ | +38.10% |
シャオミ | +31.90% |
BYD | +26.33% |
テンセント | +19.38% |
京東集団 | +15.50% |
ネットイース | +11.69% |
メタ・プラットフォームズ | -14.41% |
マイクロソフト | -15.44% |
アマゾン・ドット・コム | -22.98% |
アルファベット | -23.63% |
アップル | -24.32% |
エヌビディア | -30.65% |
テスラ | -38.62% |
※2025年1月2日始値と4月4日終値の比較
これまで長期にわたり堅調に推移してきた米国株ですが、そんな中でも下落するときはありました。直近ではコロナ禍でS&P500は2022年1月高値から10月安値まで約25%下落しました。
現在のトランプ関税の影響はどれほどのものになるかは分かりませんが、大きく長くなる可能性もあります。人為的なものですから、終息する可能性も充分あると思いますが現時点では未知数です。
投資信託ではS&P500やオルカンなど米国株のファンドが人気ですが、この状況を考えるとある程度は違うファンドの比率を増やしてバランスを調整するのも良いのではないかと思います。
一つはもう一つの人気ファンドである三菱UFJ 純金ファンドなど金(ゴールド)を含めるというもの。もう一つはバランスファンドを活用すること。そしてもう一つが新興国株ファンドの活用です。
新興国株ファンドは、今回ご紹介するeMAXIS Slim 新興国株式インデックス以外にも、新興国連続増配成長株オープン、新興国ハイクオリティ成長株式ファンド 愛称:未来の世界(新興国)などがあります。
例えば、米国株ファンドに100%投資している場合、30%を新興国株ファンドに乗り換えるなどバランスを調整するのも一つです。
新興国株ファンドは中国だけでなくインドや台湾をはじめ、中東や南米など幅広い地域に投資をしています。将来的に大きく成長する企業が生まれる可能性が充分あります。
オルカンも60%以上が米国株で組入比率2位の日本ですら5%未満ですので、本当に分散投資を考えるなら、新興国株ファンドを積極的に活用して良いのではないかと思います。
このファンドは低コストで人気のeMAXIS Slimシリーズの新興国株に投資するファンドです。シンプルでスタンダードなインデックスファンドですから特に留意することなく利用しやすいファンドと言えるのではないでしょうか。
個別銘柄では台湾セミコンダクター(TSMC)の比率が1位ですが、国・地域別ではケイマン諸島が1位になっています。ケイマン諸島は実際には中国企業が多いと思われますので、実際には中国は30%近くを占めているようです。2025年1月25日時点の目論見書では中国の比率は27.8%と記載されています。
直近の資料では24の国・地域の1,212銘柄に投資しているとのことで、かなり幅広く分散されています。
例えば、新興国ハイクオリティ成長株式ファンド 愛称:未来の世界(新興国)は、中国40.1%、インド22.9%、韓国11.9%、米国8.5%、ブラジル6.8%、台湾5%とかなり違います。組入銘柄数は31で銘柄もかなり異なるので、比較して見て選ぶのも良いと思います。
新興国株は直接投資すること自体も難しいですし、情報を得たり分析するのはかなり困難です。そういう意味では新興国株ファンドを使うしかないと言えます。今のようにマーケットの先行きに不安を感じるときに「どうすればいいだろう?」と考える時の一つの手段が新興国株ファンドの活用だと思います。
銘柄 | 国/業種 | 比率 |
台湾セミコンダクター | 台湾/半導体 | 9.5% |
テンセント | ケイマン諸島/メディア・娯楽 | 5% |
アリババ | ケイマン諸島/サービス・小売り | 3.5% |
サムソン | 韓国/テクノロジ・機器 | 2.3% |
HDFCバンク | インド/銀行 | 1.3% |
MEITUAN(美団) | ケイマン諸島/消費者サービス | 1.3% |
シャオミ | ケイマン諸島/テクノロジ・機器 | 1.3% |
リライアンス・インダストリーズ | インド/エネルギー | 1% |
PDDホールディングス | ケイマン諸島/サービス・小売り | 1% |
中国建設銀行 | 中国/銀行 | 1% |
国・地域 | 比率 | |
1 | ケイマン諸島 | 19.1% |
2 | 台湾 | 17.9% |
3 | インド | 16.5% |
4 | 中国 | 10.6% |
5 | 韓国 | 9.2% |
6 | サウジアラビア | 3.9% |
7 | ブラジル | 3.6% |
8 | 南アフリカ | 2.7% |
9 | メキシコ | 1.7% |
10 | マレーシア | 1.4% |
業種名 | 構成比 | 業種名 | 構成比 | ||
1 | 銀行 | 17% | 6 | 素材 | 5.4% |
2 | 半導体 | 12.7% | 7 | 資本財 | 4.3% |
3 | テクノロジ・機器 | 8% | 8 | エネルギー | 4.2% |
4 | メディア・娯楽 | 7.2% | 9 | 自動車 | 3.7% |
5 | サービス・小売り | 6.5% | 10 | 保険 | 2.9% |
1ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | 3年 | 設定来 | |
当ファンド | -0.5% | 3.5% | 6.5% | 33.1% | 64.6% |
ベンチマーク | -0.4% | 3.8% | 6.8% | 34.5% | 69.5% |
※ベンチマークは、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース)
※データは2025年2月28日時点。設定日:2017年7月31日
※詳細な商品性は目論見書をご覧ください
記事作成日:2025年4月7日
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