💡この記事のポイント
✅金融庁が上場企業の現預金の活用促進へ
✅使い道として成長投資や株主還元に期待
✅注目される「キャッシュリッチ」な日本株をご紹介
🔎登場する主な銘柄
✅任天堂、ファーストリテイリング、キーエンス、村田製作所
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✅金融庁が上場企業の現預金の活用促進へ
✅使い道として成長投資や株主還元に期待
✅注目される「キャッシュリッチ」な日本株をご紹介
✅任天堂、ファーストリテイリング、キーエンス、村田製作所
上場企業の現預金の活用促進へ
「キャッシュリッチ企業」に注目
任天堂<7974>
ファーストリテイリング<9983>
キーエンス<6861>
信越化学工業<4063>
村田製作所<6981>
HOYA<7741>
ファナック<6954>
ネクソン<3659>
バンダイナムコホールディングス<7832>
豊富な現預金を保有する「キャッシュリッチ企業」が、株式市場で注目されつつあります。
2025年10月、金融庁は「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)」の5年ぶりの改訂に向けた議論を開始しました。コーポレートガバナンス・コードとは、上場企業が健全で透明性の高い経営を行うための「企業統治の指針」です。金融庁は2026年半ばの改定を目指し、その中で企業が長年にわたって積み上げてきた「現預金」の活用を促そうとしているようです。
3月期決算の東証プライム上場企業の現預金は、合計115兆円にのぼるとされています(2025年3月末時点)。これまで多くの日本企業は、中長期的に現預金を積み上げてきましたが、市場からは「成長投資や株主還元にもっと振り向けるべき」との指摘もされてきました。
今回の見直しでは、保有する現預金を研究開発、設備投資、人的資本(人材)といった将来の成長に向けた投資などに、どのように適切に配分しているかを検証し、株主にしっかり説明することを求める方向で検討されているようです。
また、高市早苗首相も、以前から企業の非効率な経営や内部留保のあり方に強い問題意識を持っているとされ、政府と金融庁の向かう方向性が一致している点も注目されています。高市首相は11月14日の参院予算委員会で、「企業が経営資源を株主還元のみならず、働いている方々も含めて適切に配分するということを促していく」と述べ、賃上げの側面からも改革を後押しする意向を示しました。政策面の後押しが強まれば、アクティビスト(物言う株主)の働きかけも一段と活発化する可能性があります。
こうした背景から、手元資金が豊富な「キャッシュリッチ企業」は、積極的な成長投資や株主還元の強化を打ち出す可能性があり、今後注目を集めるかもしれません。
そこで今回は、ネットキャッシュが豊富な日本株をピックアップしてご紹介します。ネットキャッシュは「現金及び現金同等物-有利子負債」の概算です。数値は各社の決算短信に基づきます。
家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」や人気IP(知的財産)を擁する企業です。潤沢な手元資金で知られる典型的なキャッシュリッチ銘柄です。
2025年3月期前期の短信によると、現金及び現金同等物は約1兆4,141億円。有利子負債の計上はなく、ネットキャッシュも同水準です。強固な資金力は、研究開発やIP活用、株主還元の柔軟性を高めているようです。
「ユニクロ」「ジーユー」を世界展開。2025年8月期前期は「売上収益・営業利益・親会社の所有者に帰属する利益」がいずれも過去最高を更新し、4期連続の最高更新となった旨が開示されています。
2025年8月期前期末の現金及び現金同等物が約8,932億円、有利子負債(流動・非流動の金融負債等、リース除く)が約2,920億円。ネットキャッシュは約6,012億円です。グローバル出店やSCMの高度化、デジタル投資の原資になりやすい体質です。
FA(ファクトリーオートメーション)向けセンサー・画像処理機器の高収益企業。2025年4–9月期の連結貸借対照表で現金及び預金が約5,833億円。有利子負債は計上が見当たらず、実質無借金のようです。営業キャッシュ創出力に裏づけられたネットキャッシュは約5,833億円です。人材投資や開発投資を自前の資金で回す余力がうかがえます。
塩ビや半導体シリコンなど世界トップ級の製品を多数保有。2025年3月期前期の現金及び現金同等物は約8,827億円。短期借入金約94億円、長期借入金約75億円と借入は限定的で、ネットキャッシュは約8,659億円です。自己資本は4兆6,562億円規模、財務の安定感が際立ちます。
積層セラミックコンデンサ(MLCC)など受動部品の世界大手です。財務は健全で、2025年4–9月期末の現金及び現金同等物は約5,824億円、社債及び借入金合計は約25億円と極小です。したがってネットキャッシュは約5,799億円です。生成AIや自動車向けなどの需要に対応する研究開発・設備投資を、自前の資金で機動的に進めやすい体質だと言えそうです。
ライフケア(眼鏡・内視鏡)と情報通信(マスクブランクス等)の二輪。2025年4–9月期の現金及び現金同等物の期末残高は約5,964億円です。有利子負債は短期約109億円、長期約306億円でネットキャッシュは約5,549億円です。自己資本比率も78.4%と高水準を維持し、戦略投資・株主還元の選択肢を広げています。
FA・ロボットの世界大手。2025年3月期前期の開示では、現金及び現金同等物が約5,020億円規模。借入は原則計上がなく、ネットキャッシュも概ね同規模です。設備投資サイクルの波に左右されやすい分野ながら、潤沢な手元資金が研究開発継続と配当余力の源泉になっています。
オンラインゲーム運営の大手。2025年1–9月期時点の現金及び現金同等物は約5,265億円。貸借対照表に「借入金」計上はなく(リース負債等は別計上)、ネットキャッシュは約5,265億円です。ヒットの波で業績変動はあり得ますが、十分なキャッシュが新規タイトル・M&A(合併・買収)・IP投資の下支えになると見られます。
玩具・ホビー、ネットワークコンテンツ(ゲーム)、映像音楽、アミューズメントなどをグローバルに展開し、「ガンダム」「ドラゴンボール」など強力なIP群で安定的なキャッシュ創出力を持つ企業です。
2025年4-9月期の中間連結貸借対照表では、現金及び預金が約3,725億円。有利子負債は計上が見当たらず、ネットキャッシュは約3,725億円です。自己資本比率も72.5%と高水準です。強固な財務は、人気IPの育成や新作投資、海外展開や株主還元の柔軟性につながっていきそうです。
記事作成日:2025年11月14日