不透明相場で出番がくる「ディフェンシブ株一覧」日米6選+107銘柄

💡この記事のポイント

✅ディフェンシブ株は景気動向に業績や株価が左右されにくい

✅代表業種は食品、日用品、医薬品、電鉄、電力・ガス、情報サービス、通信など

✅ディフェンシブ株6選+107銘柄を一挙ご紹介

🔎登場する主な銘柄

✅米国株:コカ・コーラユナイテッドヘルスジョンソン・エンド・ジョンソン

✅日本株:パン・パシフィックオービックKDDI

 

目次

ディフェンシブ株は「守り」に強い

具体的にはどんな企業がディフェンシブ株?

国の状況によっても変わってくる

コカ・コーラ<KO>

ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>

ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>

オービック<4684>

KDDI<9433>

その他のディフェンシブ107銘柄

不透明相場で出番がくる「ディフェンシブ株一覧」日米6選+107銘柄

ディフェンシブ株は「守り」に強い

ディフェンシブ銘柄とは、景気動向に業績や株価が左右されにくい株のことです。ですので、マーケットが不安定なとき、弱いときに買われやすい傾向があります。

国内や世界景気が悪化する局面でも、相対的に業績の落ち込みが限定的にとどまり、株価への悪影響も限られるという、いわゆる「守り」に強い銘柄です。

 

具体的には、景気の悪化局面でも一定程度の需要が期待できる製品を扱っている企業、生活に最低限必要なインフラを提供している企業などが挙げられるでしょう。業種で考えると、食品日用品医薬品電鉄電力・ガス情報サービス通信などが代表的です。

 

具体的にはどんな企業がディフェンシブ株?

小売業界は一般的に個人消費減退の影響を受けますが、ディスカウントストアなどは景気悪化場面で強みを発揮する業態であり、ディフェンシブ銘柄と位置づけられます。

 

食品や医薬品などは一般的にはディフェンシブ株ですが、日本からの輸出比率が高い場合は景気悪化が円高に繋がりやすいといった国内事情からは、一概にディフェンシブ銘柄とは言いにくくなっています。とりわけ、医薬品は関税問題がリスク要因となっている現状でもあります。

 

電鉄では、ビジネス客の動向に影響を受けやすいJR各社よりも、安定的な乗客の多い私鉄株にディフェンシブ性が高いと考えられます。

 

そのほか、定期的に仕事が発生するメンテナンス事業のウェイトが高い銘柄(電力設備工事会社など)、サブスクリクション(定額制)サービスの提供が主力となっている銘柄、不動産賃貸事業を安定収益源としているような銘柄(倉庫会社など含む)、ゲームをはじめとした一部エンタメ銘柄などもディフェンシブ銘柄と捉えることができます。

 

国の状況によっても変わってくる

また、日本国内の景気悪化に伴う円高ドル安進行の際には、原材料・部品や商品の輸入割合が高い円高メリット銘柄(小売や外食の一角、輸入品商社)なども、ディフェンシブ銘柄と同様な立ち位置となってきます。

 

米国でも同様に為替の動向などが業績に影響する企業があります。一般的にドル安は輸出において海外での競争力が高まりプラスとなりますし、ドル高の場合は海外からの輸入でメリットがあります。

 

また、株価の下値リスクが乏しい=ディフェンシブ銘柄と捉えた場合は、割安株なども当てはまってくるでしょう。

 

とりわけ、高配当利回り銘柄はこれまで、「景気悪化→業績悪化→減配」という流れも意識されましたが、最近では、累進配当を掲げる企業、変動が少ない株主資本に対する配当金の割合を示すDOE(株主資本配当率)を指標として採用する企業などが増加しているため、株価の下値リスクを低減させる効果が強まっている状況です。「守り」の強さを図る株価指標となりつつあります。

 

なお、ディフェンシブ銘柄は一般的に、業績変動リスクの低さがプレミアムとなっており、PER(株価収益率)PBR(株価純資産倍率)などの株価指標には割安感が乏しい場合もあります。

 

コカ・コーラ<KO>

「コカ・コーラ」「ファンタ」「スプライト」など、200ブランド以上のノンアルコール飲料をグループで製造・販売、世界約200カ国で事業を展開しています。ボトラーや小売業者を含む配送ネットワークは世界最大級で、同社は各国地域の提携先ボトラーに原液を供給しています。

 

米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ<BRK.B>が長期投資を行っている企業としても有名です。2024年12月期前期まで、63年間連続での増配を実施中です。予想配当利回り:2.92%

 

昨年12月から横ばいで推移していた株価が、2月上旬に大きく上昇し、3月10日には73ドル台まで急伸しました。3月中旬現在では70ドル前後で推移しています。

 

ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>

医療保険や医療サービスを手がける大手ヘルスケア企業です。NYダウ構成銘柄となっています。医療サービス部門においては、病院・クリニック運営企業などをはじめ足元で相次ぎM&A(合併・買収)を実施し、事業規模を拡大させています。

 

また、民間の保険会社を通じ提供されるプログラム「メディケア・アドバンテージ」では市場シェアトップを誇っています。2024年12月期前期は業績悪化で株価が一時下落しましたが、2025年12月期今期以降は回復見通しです。予想配当利回り:1.69%

 

2月下旬に438.5ドルまで下落した株価ですが、そこから緩やかに切り返し、3月中旬現在では510ドル台を突破してきました。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>

医薬品や医療機器などの開発・生産・販売を行っています。医薬品部門では、免疫疾患、感染症、神経疾患、がん、循環器疾患、肺高血圧症などの分野に注力しているほか、医療機器部門ではM&Aを活発化させて業容を拡大しています。

 

60年以上増配を続けており、コカ・コーラと並ぶ連続増配企業として知られています。2025年1月には、中枢神経系疾患の治療薬に注力するバイオ医薬品企業の買収を発表しています。予想配当利回り:3.11%

 

2025年に入り、株価は右肩上がりの上昇を継続しています。直近では全体相場の下落でやや下がる場面もありましたが、それでも高値圏での推移が続いています。3月中旬現在は、160ドル台で推移しています。

 

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>

総合ディスカウントストアの「ドン・キホーテ」を運営、2019年には総合スーパーのユニーグループを子会社化しています。低価格、深夜営業に特徴があります。

 

2024年6月期前期の店舗数は742で、うち国内ディスカウントストアは501。前期まで35年連続で営業増益を続けているなど、業績の安定成長性はピカイチといえます。免税売上などが好調で2025年6月期今期業績も期中で上方修正済み。配当金も2025年6月期は22期連続増配予想。予想配当利回り:0.81%

 

2月に4,416円まで上昇した株価は、一時4,000円を割り込む場面が見られました。ただ、その後はリバウンドし、3月中旬現在では4,200円前後で推移しています。

 

オービック<4684>

ERP(統合基幹業務システム)パッケージ「OBIC7シリーズ」を主力製品とする独立系のSIer(システムインテグレーター)です。業務用パッケージソフト「奉行シリーズ」を展開するオービックビジネスコンサルタントは持分法適用会社となります。

 

60%を超える高い営業利益率が特徴です。また、2024年3月期前期まで30期連続での営業増益を続けています。主力のソフトウェア。クラウド関連が好調で、2025年3月期4-9月期も好調推移が続いています。予想配当利回り:1.61%

 

株価は昨年11月以降、緩やかに下がり続け、3月7日には4,200円台まで調整しました。この辺りで下げ止まるかが注目されます。3月中旬現在では4,300円台で推移しています。

 

KDDI<9433>

移動体通信事業者で第2位、「au」ブランドで展開しています。「auじぶん銀行」、「au PAY」などの金融事業、「auでんき」などのエネルギー事業も展開しています。2024年5月にはローソンを持分法適用会社化しました。

 

営業利益は2024年3月期前期に減益に転じましたが、それまでは22期連続での営業増益を続けていました。また、2025年3月期今期は23期連続での増配を計画しています。配当性向に関しては40%超を維持する方針としています。予想配当利回り:2.99%

 

株価は2月に5,311円をつけた後、調整に入り、3月14日には4,700円を割り込む場面もありました。直近は3,800円前後で推移しています。

 

 

その他のディフェンシブ107銘柄

食品11銘柄

味の素

キリンホールディングス

サントリー食品インターナショナル

ニチレイ

日清食品ホールディングス

ニッスイ

東洋水産

日本たばこ産業

明治ホールディングス

ヤクルト本社

ペプシコ

 

ヘルスケア18銘柄

アステラス製薬

エーザイ

大塚ホールディングス

小野薬品工業

協和キリン

塩野義製薬

シスメックス

第一三共

武田薬品工業

中外製薬

テルモ

ファイザー

メルク

アッヴィ

アムジェン

CVSヘルス

ギリアド・サイエンシズ

アボット・ラボラトリーズ

 

エネルギー13銘柄

岩谷産業

東京瓦斯(東京ガス)

大阪瓦斯(大阪ガス)

関西電力

九州電力

中部電力

北海道電力

ネクステラ・エナジー

サザン・カンパニー

エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ

EOGリソーシーズ

フィリップス66

バレロ・エナジー

 

電鉄8銘柄

東京地下鉄(東京メトロ)

西武ホールディングス

西日本旅客鉄道

東日本旅客鉄道

東海旅客鉄道

阪急阪神ホールディングス

ユニオン・パシフィック

CSX

 

情報サービス5銘柄

NTTデータグループ

オービック

トレンドマイクロ

日本オラクル

野村総合研究所

 

通信5銘柄

ソフトバンク

日本電信電話(NTT)

エーティー・アンド・ティー(AT&T)

ベライゾン・コミュニケーションズ

Tモバイル US

 

保険5銘柄

MS&ADインシュアランスグループホールディングス

かんぽ生命保険

SOMPOホールディングス

T&Dホールディングス

東京海上ホールディングス

 

円高メリット3銘柄

神戸物産

ニトリホールディングス

MonotaRO

 

日用品8銘柄

花王

プロクター・アンド・ギャンブル

モンデリーズ・インターナショナル

クラフト・ハインツ

キャンベルズ

ハーシー

コルゲート・パルモリブ

ダラー・ゼネラル

 

金融9銘柄

日本郵政

三菱HCキャピタル

ブラックストーン

バンク・オブ・アメリカ

ウェルズ・ファーゴ

モルガン・スタンレー

チャールズ・シュワブ

ブラックロック

USバンコープ

 

小売・外食10銘柄

マツキヨココカラ&カンパニー

日本マクドナルドホールディングス

ウォルマート

コストコ・ホールセール

ホームデポ

TJXカンパニーズ

ターゲット

マクドナルド

ヤム・ブランズ

ドミノ・ピザ

 

エンタメ8銘柄

KADOKAWA

カプコン

コナミグループ

サンリオ

スクウェア・エニックスHD

東宝

バンダイナムコホールディングス

ウォルト・ディズニー

 

その他4銘柄

セコム

三菱倉庫

スナップ

ユナイテッド・パーセル・サービス

 

 

記事作成日2025年3月27日

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