💡この記事のポイント
✅2025年のテンバガー(10倍株)候補を紹介
✅注目テーマはトランプ関連とAI(人工知能)関連
🔎登場する銘柄
✅トランプ関連:キャタピラー、ロッキード・マーチン、コインベース、ネクステラ・エナジー
✅AI関連:セールスフォース、クラウドストライク、マーベル・テクノロジー、オラクル
注目テーマはトランプ関連とAI関連
今回は、2025年に株価の大幅上昇が期待できそうな銘柄をピックアップしました。株式市場では、株価が10倍になった銘柄や将来10倍になりそうな銘柄を「テンバガー」と呼びますが、それらの多くは、大きく成長する企業や株式市場の注目テーマに乗った銘柄です。
2025年の注目テーマは何といっても、トランプ大統領の政策が追い風になりそうなトランプ関連です。
加えて、引き続き市場や社会の中心テーマとなりそうなAI関連からも目が離せません。
これらは今後数年間以上、成長する可能性を秘めているだけに、将来テンバガーとなることも考えられそうです。
キャタピラー<CAT>
建設・鉱山機械などの各種機械、ディーゼルエンジン、産業用ガスタービン等のエンジン・発電装置などの開発、製造、販売を手がけています。
トランプ大統領は気候変動問題に対する国際的な枠組み「パリ協定」からの脱退を発表するなど、「脱炭素社会」よりも規制緩和による石油や天然ガスの増産を促しています。このため、石油会社などが注目されていますが、一方では増産による原油価格の低下から、石油会社の業績低迷を予想する見方も大きくなっています。
これに対して、キャタピラーは石油会社の増産に向けた各種機械の販売が好調に推移することが予想されています。
株価は2024年11月上場来高値418.5ドルから今年1月10日安値349.8ドルへ下落。その後トランプ大統領の就任を受け400ドル台まで上昇し、直近は360ドル前後まで調整しました。
ロッキード・マーチン<LMT>
軍需品の設計、製造のほか関連サービスなどを手がけています。トランプ大統領は就任演説で「最強の軍隊を再構築する」と表明。移民問題などを背景に、軍需産業の需要が大きく高まることが予想されます。
2024年10-12月期決算は売上高が前年同期比1.3%減の186億ドル、営業利益が同69.6%減の7億ドルでした。
株価は2024年10月上場来高値618.95ドルから460ドル程度まで下落しましたが、トランプ大統領の方針を背景に一時500ドル台を回復しました。しかし、その後に発表した決算が市場予想を下回り、今年2月6日安値444.63ドルまで下落しています。
コインベース・グローバル<COIN>
暗号資産取引プラットフォームを手がけ、暗号資産取引所の運営も行っています。トランプ大統領は金融取引の規制緩和とともに、暗号資産関連の規制緩和を政策に掲げ、暗号資産の利用を推進する大統領令に署名しました。
2024年7-9月期決算は、売上高が前年同期比78.8%増の12億ドル、営業利益は前年同期の赤字から黒字転換して1.7億ドルとなりました。
株価は2024年3月以降およそ150~270ドル程度で推移していましたが、決算発表を受け、12月6日高値349.75ドルまで上昇しました。昨年末以降はおよそ250~300ドル程度で推移しています。
ネクステラ・エナジー<NEE>
米国フロリダ州において発電・送電・配電設備への投資を行い、電力を供給しています。同時に風力と太陽光による再生可能エネルギーの世界最大の発電業者です。
トランプ大統領はクリーンエネルギーに対しては後ろ向きの姿勢ですが、AI需要の拡大は膨大な電力需要を生み出しており、同社の役割は拡大していくと見られています。
一方で、DeepSeekショックによりAIによる電力需要は期待ほど伸びないという見方もあり、株価は伸び悩んでいます。それだけに、今後の動向次第で株価水準は大きく変わる可能性もありそうです。
2024年10-12月期(第4四半期)決算は、売上高が前年同期比21.7%減の53.9億ドル、営業利益は同64.6%減の9.4億ドルでした。
株価は2024年3月安値53.95ドルから10月高値86.1ドルへ上昇しました。その後10月29日に15億ドルの増資を発表し、将来の株式発行により一株当たりの価値が下がることが懸念され、調整局面入りしました。今年1月13日安値65.89ドルまで下落後は、70ドル前後でもみ合いとなっています。
セールスフォース<CRM>
企業と顧客を結ぶサブスクリプションベースの顧客管理(CRM)システム「Salesforce」を世界中の企業に提供しています。
2025年に大きく注目を集めそうなのが「AIエージェント」です。従来のAIが質問に答えるスタイルだけでなく、AIが自ら考えて作業やサポートを行うスタイルへの進化が進みそうです。
2024年8-10月期の決算発表で、AIを搭載した新サービス「エージェントフォース」が好調だったことが明らかになりました。「エージェントフォース」とは、自らの判断で作業する自立型の「AIエージェント」が営業やマーケティングを支援するサービスで、顧客サポートのチャットボットもAIが自分で判断して質問に対応できるようです。
同社はCRMの世界的リーダーとして15 万社以上の顧客を擁しているため、AIを低価格で提供できればさらにエージェントフォースなどのAIサービスの利用促進に繋がる可能性があります。
株価は2024年5月安値212ドルから12月上場来高値369ドルまで上昇。その後今年1月13日安値313.8ドルまで下落しましたが、DeepSeekショック後の1月28日高値367.09ドルまで反発しています。直近は2月6日安値329.1ドルまで調整しています。
クラウドストライク・ホールディングス<CRWD>
クラウドベースのインターネット・セキュリティ・ソリューションを提供、世界的な4大サイバーセキュリティ対策会社の一つです。
AI需要の拡大は、サイバー犯罪の脅威が拡大することにも繋がるため、インターネット・セキュリティの重要性が増すことになります。
2024年8-10月期決算は、売上高が前年同期比28.5%増の10.1億ドル、営業損益は前年同期の316万ドルの黒字から5,572万ドルの赤字に転落しました。
株価は2024年8月安値200.81ドルから上昇を続け、決算で営業赤字に転落したにも関わらず、需要の拡大を見越して底堅く推移し、今年1月28日には一時411.3ドルまで上昇し上場来高値を更新しました。
マーベル・テクノロジー<MRVL>
自社工場や生産設備を持たず、半導体の設計・開発・販売を行うファブレスメーカーです。同社のデータセンターやネットワーキング向けの半導体製品は、AIインフラに大きな役割を担っています。
市場が拡大しているAIカスタム半導体を手がけており、アマゾン・ドット・コム<AMZN>、マイクロソフト<MSFT>、アルファベット<GOOGL>などに供給しています。
2024年8-10月期決算は、売上高が前年同期比6.9%増の15.2億ドルでしたが、営業赤字は同1.5億ドルから7億ドルに拡大しました。
株価は営業赤字が拡大したにも関わらず、AI需要の拡大予想を背景に、決算発表前の2024年12月3日終値95.91ドル以降から順調に上昇を続け、今年1月23日に一時127.48ドルまで上昇し上場来高値を更新しました。1月27日には「DeepSeekショック」で100ドル程度まで下落しましたが、むしろ低コストAIの恩恵を受けるソフトウェア関連株という側面とAI設備投資の拡大の流れに変わりはないことから、2月6日高値119.48ドルまで戻しています。
オラクル<ORCL>
法人向けのソフトウェア、ストレージなどのハードウェアの開発・販売のほか、クラウドサービスも手がけています。トランプ大統領は1月21日、AI開発に5,000億ドル(約78兆円)あまりを投資する「スターゲート」計画を発表しました。
この計画は、オラクルやチャットGPTを展開するオープンAI、ソフトバンクグループ<9984>が開発を進める共同事業です。オラクルは、この巨額投資の主要インフラプロバイダーになる可能性があると見る向きもあり、直接的な売上増や幅広い相乗効果が期待されています。
2024年9-11月期決算は、売上高が前年同月比8.6%増の140.6億ドル、営業利益は同16.5%増の42.2億ドルと好調でした。
株価はクラウド事業の売上が予想を下回ったことで、2024年12月上場来高値198.3ドルから今年1月13日安値152.42ドルまで下落しましたが、スターゲートの発表受けて一時190ドル台を回復しました。直近は170ドル前後で推移しています。
記事作成日:2025年2月7日