💡この記事のポイント
✅関税合意で自動車株が急騰
✅今後も大きく変動する可能性
✅日米の自動車株をご紹介
🔎登場する主な銘柄
✅米国株:フォード、GM、テスラ
✅日本株:トヨタ、マツダ、ホンダ
✅関税合意で自動車株が急騰
✅今後も大きく変動する可能性
✅日米の自動車株をご紹介
✅米国株:フォード、GM、テスラ
✅日本株:トヨタ、マツダ、ホンダ
関税引き下げで日本の自動車株が高騰
米国の自動車株3選
日本の自動車株6選
4月上旬の世界的な株価急落のきっかけとなったトランプ大統領による相互関税。結果的には、米国が日本から輸入する品目に対する15%の一律関税でいったん決着しましたが、米国のベッセント財務長官の発言では、「日米の関税実施状況にトランプ大統領が不満を表明すれば、関税率を25%に戻す可能性がある」と警告するなど、先行きは不透明なままです。
ただ、今回の「関税率15%」の決定を受けて、日米の自動車株には大きな動きも見られています。7月23日には、トヨタ自動車<7203>をはじめとする日本の自動車メーカーの株価が一斉に急騰しました。米国のフォード・モーター<F>の最高経営責任者(CEO)は、「トランプ政権が日本に対する関税を当初の予定より引き下げたことによって、日本の自動車メーカーには実質的な優位性が生まれるとコメントしています。
また、日本の自動車メーカーにとっては、為替の円高推移も気になるところ。例えば、トヨタ自動車は、1円の円高で営業利益が500億円ほど押し下げられると言われています。
さらに、日米政府間で関税の軽減措置の認識に食い違いがある恐れが指摘され、その後修正されるなど、関税を巡る状況は今後も予断を許さない可能性があります。
引き続き、トランプ大統領の発言や為替の推移によって、日米の自動車メーカーの株価は大きく変動しそうです。そこで今回は、日米で注目の自動車株をご紹介します。
米国の大手自動車メーカー。主力ブランドは「フォード」。
2024年の米国での新車販売台数は前年比4.2%増の207万8,832台で、業界平均の2%増を上回る成長率。ただ、7月30日に発表した2025年4-6月期の決算では、最終損益が3,600万ドルの赤字になったことを発表しています。トランプ関税による負担費用を8億ドル計上したことや、米国でのリコール、EV(電気自動車)事業の赤字などが大きく影響しました。
株価は、4月9日年初来安値8.44ドルを底に緩やかに持ち直してきています。7月3日には、一時11.97ドルまで上昇し年初来高値を更新しました。直近は11ドル前後で推移しています。
米国の大手自動車メーカー。「シボレー」や「キャデラック」などの乗用車やトラックを製造販売しています。
7月22日に発表した2025年4-6月期の決算では、最終利益が前年同期比で35.4%減少の18億9,500万ドルでの着地となりました。トランプ関税によるコスト増で利益が押し下げられたことが大きな要因です。今後は米国内の工場に投資を行うことで関税措置の影響を軽減する計画です。
株価は4月7日年初来安値41.6ドルから7月31日高値54.71ドルまで上昇し、1月27日年初来高値55.06ドルが目前となってきました。直近は53ドル前後で推移しています。
米国のEV(電気自動車)メーカー。
7月23日に発表した2025年4-6月期の決算では、売上が前年同期比で11.7%減の224億9,600万ドル、営業利益は同42.4%減の9億2,300万ドルとなりました。EVの競争激化や、イーロン・マスクCEOの政治的な発言をきっかけとした不買運動の影響が要因とされています。
同社は、米国内の工場で米国向けEVを生産しているため、トランプ関税による直接的な影響はほぼありません。むしろ、大型減税・歳出法案によるEV税額控除の廃止での売上減が懸念されています。
トランプ関税の影響は軽微ですが、イーロン・マスクCEOの発言で株価が動きやすい銘柄です。6月以降はおよそ280~350ドル程度で推移しています。
4輪では世界首位の実績を誇る日本を代表する自動車メーカー。
トランプ関税や円高による業績への悪影響が心配されています。それらの影響もあり、2026年3月期今期は大幅な営業利益の減少が見込まれています。
今期の想定為替レートは、1米ドル=145円、1ユーロ=160円前提。同社は、1円の円高で営業利益が年間で500億円ほど押し下げられると言われています。しばらくは、トランプ大統領の発言で大きく株価が動きそうです。
トランプ関税が15%で決着したことで株価は大きく上昇し、7月23日には高値2,905円まで急騰する場面も見られました。その後は調整し、直近は2,700円台で推移しています。
自動車大手。フランスのルノー、三菱自動車工業<7211>と3社で企業連合を組んでいます。経営再建中。
7月30日に発表した2025年4-6月期の決算では、最終的な損益は1,157億円の赤字になりました。販売台数の落ち込みや米国のトランプ関税で、687億円の影響があったとしています。経営再建にメドがつけば、株価の大幅上昇も期待できますが、リスクはそれなりに大きいことを理解しておく必要がありそうです。
株価は7月10日に年初来安値299円まで下落し、その後は320円前後で推移しています。関税率15%はポジティブサプライズですが、経営再建中ということもあって上値は重くなっています。
商用トラック大手。ディーゼルエンジンに定評。
目先のトランプ関税の影響は避けられないものの、その緩和措置として、現在、神奈川県の工場で生産し、米国に輸出している小型トラックについて、米国での現地生産に切り替える検討を始めたとの報道がありました。2028年から米国での生産に切り替える予定です。なお、5月時点では、2026年3月期今期の営業利益を前期比191億円減益となる2,100億円を見込んでいます。
株価は5月以降およそ1,800~1,950円程度で推移していましたが、関税率15%の決定を受けて、7月23日には高値2,058円まで上昇する場面も見られました。その後は1,900円台で推移しています。
中堅の自動車メーカー。独自技術に特徴。
SUV(多目的スポーツ車)を軸に米国での販売比率も比較的高いため、関税の影響は避けられそうもありません。実際、8月5日に発表した2025年4-6月期の決算では、関税政策の影響で最終利益が421億円の赤字(前年同期は498億円の黒字)、本業の儲けを示す営業利益は461億円の赤字(前年同期は503億円の黒字)となりました。
なお、関税政策が697億円のマイナス要因となりました。2026年3月期今期の最終利益は、200億円(82.5%減)で黒字を見込んでいます。
株価は5月以降およそ830~900円程度で推移していましたが、関税率15%の決定を受けて、7月24日には高値1,039円まで上昇する場面も見られました。直近は950円前後で推移しています。
4輪で世界7位、二輪で世界トップの自動車およびバイクメーカー。4輪は米国が収益源。
5月に発表した2026年3月期今期の業績見通しでは、関税措置や為替の円高の影響で最終的な利益が2,500億円と約70%の大幅減益の見通しを発表しました。同社の社長は、「関税措置が長引く場合には、米国内での生産能力を増やすことや設備投資などを考えたい」とコメントしています。
株価は5月以降およそ1,400~1,500円程度で推移していましたが、関税率15%の決定を受け株価は大幅上昇し、7月24日には年初来高値1,674.5円まで上昇しています。直近は1,600円前後で推移しています。
水平対向エンジンや4輪駆動技術が強みの自動車メーカー。
世界販売台数の7割を米国が占めているため、トランプ関税の影響も大きな懸念材料となっています。なお、5月に発表した2026年3月期今期の業績については、事業環境が不透明なこともあって未定としています。
5月19日には、米国販売会社のスバル・オブ・アメリカが複数モデルの価格を引き上げることを発表しています。
株価は6月以降2,500円前後で推移していましたが、関税率15%の決定を受け株価は大幅上昇し、7月24日には年初来高値3,042円まで買われる場面が見られ、その後も高値圏で推移しています。
記事作成日:2025年8月8日
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