💡この記事のポイント
✅日米株価は高値圏で警戒感も
✅景気に左右されにくい医療関連に注目
✅医療はAIの活用も期待できる分野
🔎登場する主な銘柄
✅米国株:ジョンソン・エンド・ジョンソン、メルク、アムジェン
✅日本株:中外製薬、安川電機、エムスリー

✅日米株価は高値圏で警戒感も
✅景気に左右されにくい医療関連に注目
✅医療はAIの活用も期待できる分野
✅米国株:ジョンソン・エンド・ジョンソン、メルク、アムジェン
✅日本株:中外製薬、安川電機、エムスリー
ハイテク株安の中、注目の医療関連銘柄
ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>
メルク<MRK>
アムジェン<AMGN>
インテューイティブ・サージカル<ISRG>
ストライカー<SYK>
リジェネロン・ファーマシューティカルズ<REGN>
中外製薬<4519>
武田薬品工業<4502>
安川電機<6506>
エムスリー<2413>
テルモ<4543>
その他の関連銘柄
NYダウや日経平均が史上最高値圏から調整しています。これまで急ピッチで上昇が続いてきたことから、日米ともに高値警戒感が出ているようです。特に、ここまで株式市場の上昇をけん引してきたAI(人工知能)や半導体関連銘柄は、割高感から利益確定売りが目立ち、ハイテク以外への資金シフトも見られます。
株式市場が上昇から下落に転じた際などは、景気に左右されにくいディフェンシブ株に物色の矛先が向かうことがあります。中でも医療関連は、人手不足や医療DX(デジタルトランスフォーメーション)、新薬の開発など、さまざまな分野で需要拡大が見込まれており、関連企業の中には業績を大きく伸ばしている会社もあります。また、医薬品株は配当利回りが高いものもあり、下落相場での底堅さに繋がるケースもあります。
さらに、最近では、医療分野や工場などでの活躍が期待される「フィジカルAI」も株式市場のテーマとして急浮上しています。フィジカルAIとは、AIが現実世界の状況を把握し、ロボットや機械が自律的に業務を遂行する技術のことで、医療現場での活用も期待されています。
そこで今回は、日米の医療関連銘柄をピックアップしました。
医薬品、医療機器の開発、生産、販売を手がける世界最大級のヘルスケアカンパニーです。
2025年7-9月期決算では、売上高が市場予想を上回って着地しました。決算を受け、アナリストによる目標株価引き上げも相次いでいます。なお、2025年4-6月期決算では、がん治療薬と医療機器がともに売り上げを伸ばし、2025年12月期今期業績予想を上方修正しています。予想配当利回りは2.6%です(11月18日時点)。
株価は1月10日年初来安値140.68ドル以降は上昇傾向で、11月18日上場来高値200.3ドルまで買われています。
処方薬やワクチンなど、医薬品の製造および販売を手がけ、世界140カ国以上で展開しています。
足元の業績も良好で、2025年12月期今期は一株当たり利益のレンジ予想下限を引き上げました。同社は連続増配企業としても知られており、予想配当利回りも3.47%(11月18日時点)と同業他社と比較しても魅力的です。
株価は2024年6月上場来高値134.63ドルから今年5月15日年初来安値73.31ドルへ下落。その後は上下しつつも値を戻し、11月18日高値97.66ドルまで上昇しています。
バイオ医薬品の開発や製造、販売を手がけるバイオ分野の世界トップ級企業です。遺伝子組み換えや細胞培養などのバイオ技術で、大型新薬を開発してきた実績があります。
2025年7-9月期決算は、増収増益での着地となり、株価も大きく上昇しています。同社では、月1回の注射で最大20%の減量効果が期待されている肥満症治療薬「マリタイド」を開発中です。予想配当利回りは2.82%です(11月18日時点)。
株価は1月6日年初来安値257.05ドルから3月10日高値335.88ドルへ上昇。その後はおよそ270~300ドル程度で推移していましたが、11月13日年初来高値345.84ドルまで上昇し、2024年7月上場来高値346.85ドルに迫りました。
手術支援ロボット「ダ・ヴィンチ」で開腹を減らす低侵襲手術が世界的に普及。最新モデル「ダ・ヴィンチ5」を発表し、フィジカルAIの最先端を走っています。手術件数が積み上がるほど器具・消耗品の売上が伸びるサブスク的な収益構造が特徴です。
2025年7–9月期売上高は前年同期比22.9%増の25億510万ドルで市場予想を上回り、一株当り利益2.4ドルも市場予想を上回りました。ダ・ヴィンチの設置台数や伸びました。また、2025年12月期今期の手術件数予想を上方修正し、複数のアナリストが目標株価を引き上げました
株価は1月23日年初来高値616ドルから4月7日年初来安値425ドルへ下落。その後は5月13日高値568.69ドルまで上昇しましたが、10月14日安値427.84ドルへ下落し、直近は11月12日高値580.47ドルまで反発しました。
整形外科インプラントから手術室機器・脊椎まで幅広い総合医療機器メーカーです。人工関節手術ロボット「Mako」が成長ドライバーとなっています。人工膝関節や股関節の手術需要が旺盛で、ロボット支援手術の普及も追い風となっています。
2025年7–9月期売上高は前年同期比10.2%増の60億5,700万ドルで市場予想を上回り、一株当り利益3.19ドルも市場予想を上回りました。2025年12月期今期の一株当り利益予想も従来の13.49ドルから13.55ドルへ上方修正されました。予想配当利回りは0.9%です(11月18日時点)。
株価は、1月28日年初来高値406.19ドルから4月7日年初来安値329.16ドルへ下落。その後はおよそ370~400ドル程度で推移していましたが、11月6日安値349.16ドルまで下落しました。
独自の抗体生成技術を持つバイオテクノロジーの大手企業です。アトピー性皮膚炎薬「デュピクセント」、眼科薬「アイリーア」、がん治療薬「リブタヨ」などが主力です。同社は「Regeneron Genetics Center」において大規模な遺伝子データをAIで解析し、創薬ターゲットを見つける取り組みでも世界をリードしています。
2025年7-9月期決算では、「デュピクセント」「リブタヨ」「アイリーア」それぞれ好調で、売上高37億5,430万ドル(前年同期比0.9%増)、一株当り利益11.83ドルともに市場予想を上回りました。
株価は、2024年8月上場来高値1,211.2ドルから今年6月5日年初来安値476.49ドルへ下落。その後はおよそ550~600ドル程度で推移していましたが、7-9月期決算発表で急騰し、直近は11月18日高値727.97ドルまで上昇しています。
抗体医薬やがん領域に強みを持つ国内大手で、ロシュ・グループと連携した研究開発体制が特徴です。
独自の創薬技術に加え、生成AIを活用した創薬プロセスの効率化が進んでいます。円高ドル安の影響を受けつつも、競争力の高い新薬候補(パイプライン)が評価され、ディフェンシブ性と成長性を兼ね備えた銘柄として底堅い推移を見せています。
2025年1–9月期決算で、純利益3,056億円(前年同期比3%増)が市場予想を下回りました。2025年12月期今期の業績予想は据え置きました。
株価は、5月2日上場来高値8,655円から8月8日年初来安値5,942円へ下落。その後は回復傾向で、11月17日高値8,574円まで上昇しています。
がん、希少疾患、消化器、神経精神、血漿分画製剤、ワクチンの6領域に注力する国内最大手のグローバル製薬企業で、売上の約5割を米国市場が占めています 。米国売上比率が高いため、日米間の関税引き下げによるコスト削減効果が期待されています。
2026年3月期今期の純利益予想を従来の2,280億円から1,530億円(前期比42%増)に引き下げ、市場予想を下回りました。研究開発の中止による減損損失の計上が響いたようです。売上高予想は従来予想4兆5,300億円から4兆5,000億円に引き下げ、市場予想をやや下回りました。予想配当利回りは4.6%です(11月18日時点)。
株価は、4月11日年初来安値3,916円から9月8日年初来高値4,670円へ上昇。直近はおよそ4,200~4,400円程度で推移しています。
ロボットやインバーターで世界トップ企業。医療関連ではありませんが、発展が期待されているフィジカルAI関連の筆頭銘柄です。
エヌビディア<NVDA>と富士通<6702>と協力して、フィジカルAI分野での産業用ロボット実用化を目指しています。また、アステラス製薬<4503>と共同で、「細胞医療」の領域においてロボットとAIを活用した細胞培養の自動化・高精度化を目指す新会社を設立したと発表し、医療分野での応用が期待されます。医療分野でのフィジカルAIの応用例としては、人手不足の解消や手術支援、診断の自動化などが期待されています。
2026年2月期今期は減収減益での着地を見込んでいますが、2025年3-8月期の決算発表では今期の最終利益を上方修正し、減益率が縮小する見通しとなりました。
株価は1月22日年初来高値4,740円から4月22日年初来安値2,582円へ下落。その後は3,000円前後でもみ合っていましたが、10月6日に今期の上方修正を受け急騰し、10月24日高値4,638円まで上昇しました。その後は上昇一服となり、11月18日安値3,732円まで下落しています。
ソニーグループ<6758>の関連会社で、医療従事者向けの情報サイトを運営しています。
2025年4-9月期決算では、純利益が市場予想を上回って着地、通期計画の予想は据え置いていますが、業績上振れへの期待が高まっています。メディカルプラットフォーム事業の拡大が続いていることも注目材料。AIプラットフォームを活用した医療DX関連として注目度が高まっています。
株価は2月3日年初来安値1,332円以降おだやかに上昇していましたが、好決算を受け11月13日に急騰し、11月17日年初来高値2,746円まで上昇しました。
医療機器業界で時価総額は国内首位です。カテーテルや人工心肺装置などでは世界的に高シェアを握っています。
足元の業績も良好で、2026年3月期今期は3期連続で最高益更新を見込んでいます。ただ、11月12日発表の決算で、M&A(合併・買収)関連の費用計上に伴い、今期の最終利益を下方修正したことで株価は大幅安となりました。一方で、カテーテルや採血関連製品の販売が好調なほか、想定為替レートを従来より円安に見直し、今期売上高予想は上方修正しています。
株価は2024年11月上場来高値3,182円以降は下落傾向で、11月18日年初来安値2,338円まで下落しています。
ユナイテッドヘルス・グループ
アボット・ラボラトリーズ
イーライリリー
アッヴィ
エヌビディア
第一三共
HOYA
オリンパス
富士通
記事作成日:2025年11月19日
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