総裁選トレード!注目6テーマの日本株20選

💡この記事のポイント

✅9月下旬から自民党総裁選がスタートし、新たな総理大臣が誕生する見通し

✅立候補した5氏の経済政策や成長戦略が、株式市場のテーマとして注目される可能性

✅「防衛」「半導体」「エネルギー」「国土強靭化」「観光」「子育て」の6テーマに関連した20銘柄をご紹介

🔎登場する主な銘柄

三菱重工業ソフトバンクグループ東京電力ホールディングス大成建設JR東日本任天堂

 

目次

「総裁選トレード」に注目

総裁選に立候補した5氏の政策

① 防衛、宇宙、サイバーセキュリティ強化

② 半導体、国産AI、経済安保

③ エネルギー、原発、GX

④ 国土強靭化、インフラ投資

⑤ 観光、地方活性

⑥ こども、子育て支援

マーケットから見た主な論点

総裁選トレード!注目6テーマの日本株20選

「総裁選トレード」に注目

9月22日に告示された自民党総裁選挙が本格的にスタートし、10月4日の投開票で新たな総裁が選出される見通しです。自民党が与党であるため、選出された総裁は日本の総理大臣に就任することになる予定です。

 

新しいリーダーが誕生すると、その人が掲げる政策に注目が集まります。例えば、「防衛費を増やす」という方針が示されれば防衛関連企業の株価が、「子育て支援を充実させる」となれば関連サービスを提供する企業の株価が動く、といった具合です。このように、政治の動きが株式市場に影響を与えることを「総裁選トレード」や「政策相場」と呼ぶことがあります。

 

  

総裁選に立候補した5氏の政策

今回の総裁選には5氏が立候補しており、物価高対策などを中心に各候補者が掲げる政策に注目が集まっています。9月24日時点での概要です。(五十音順)

 

小泉 進次郎 氏:「インフレ対応型経済運営」を訴え、所得税の基礎控除を物価や賃金に連動させて引き上げる制度改正に意欲的です。中小企業のDX支援なども通じて「平均賃金100万円増」の実現を目指すとしています。家計減税やガソリン課税の見直し、公定価格分野の処遇改善に言及しています。

 

小林 鷹之 氏:「頑張れば報われるという実感」を持てる社会を目指すとしています。短期的な物価高対策として、若者や現役世代を対象にした「所得税の定率減税」を提案しています。エネルギー安全保障外資規制強化に言及。財政は「赤字国債の大増発も安易な増税も避け、バランスを取る」姿勢です。

 

高市 早苗 氏:「戦略的な危機管理投資で経済成長」を掲げ、日本の優れた技術を製品化し国内外に展開する考えのようです。物価高対策では、財源として「国債の発行もやむを得ない」との認識を示しています。所得税減税や現金給付、給付付き税額控除にも前向きです。

 

林 芳正 氏:実質賃金の持続的プラスを目標に「経験と実績で未来を守り抜く」と訴え、英国を参考に所得等に応じて世帯ごとに支援を決める「日本版ユニバーサルクレジット」創設を打ち出しています。官房長官として現政権を支えた「共同責任」にも言及しています。赤字国債には慎重で、日銀の段階的な引き締め方針を支持する立場です。

 

茂木 敏充 氏:地方自治体が使い道を決められる数兆円規模の「特別交付金」の創設を提唱しています。ガソリン税の旧暫定税率廃止など「スピーディーで効果のある政策」を掲げているようです。地方向けの大型交付金や、公定価格分野の賃上げ後押しを掲げ、金融政策は段階的正常化を支持します。

 

これらの候補者の多様な政策が、株式市場で意識されるテーマに繋がっていくと考えられそうです。今回は、総裁選の主要な論点となりそうな「防衛」「半導体」「エネルギー」「国土強靭化」「観光」「子育て」という6つのテーマに注目し、関連20銘柄をピックアップしました。

 

 

① 防衛、宇宙、サイバーセキュリティ強化

地政学リスクの高まりや経済安全保障の観点から、防衛力の強化は重要な政策課題です。関連予算の増額や宇宙、サイバーセキュリティといった新領域への投資拡大が期待されそうです。

 

三菱重工業<7011>

戦闘機や護衛艦など日本の防衛装備品の中核を担う企業です。防衛費増額の恩恵を直接的に受けやすい代表的な銘柄といえそうです。

 

川崎重工業<7012>

潜水艦や航空機などを製造しており、防衛省への納入実績も豊富です。防衛システムの投資加速が事業機会の拡大につながりそうです。

 

IHI<7013>

航空機エンジンに強みを持ち、防衛分野の需要拡大も追い風となりそうです。ロケットエンジンなども手掛けており、宇宙開発政策の強化も期待材料になるかもしれません。

 

日本電気NEC)<6701>

サイバー防衛や監視システムといった分野で高い技術力を持ちます。政府や重要インフラ企業からのセキュリティー関連の需要増が見込まれそうです。

 

 

② 半導体、国産AI、経済安保

経済安全保障の中核として、半導体の国内生産体制の強化やサプライチェーンの安定化、国産AIが政策として後押しされています。先端半導体への投資継続が関連企業の追い風となりそうです。

 

東京エレクトロン<8035>

世界トップクラスの半導体製造装置メーカーです。国内外での半導体工場への投資が活発化する中で、その恩恵を大きく受けることが期待されます。

 

アドバンテスト<6857>

半導体の性能を検査するテスター(検査装置)で世界大手です。半導体の高性能化、複雑化に伴い、検査需要の重要性はますます高まっていくようです。

 

信越化学工業<4063>

半導体の基板となるシリコンウエハーで世界トップクラスのシェアを誇ります。半導体材料の安定供給は経済安保の観点からも重視されており、政策的な恩恵も期待されそうです。

 

ソフトバンクグループ<9984>

ソフトバンクグループは傘下に半導体設計大手のアームを持つほか、グループ全体でAI革命の実現を掲げています。国内でのAI基盤やデータセンター整備は主に通信子会社のソフトバンク<9434>が推進しています。国産AIなど日本のAI戦略を担う中核的な存在として注目されそうです。

 

さくらインターネット<3778>

国内有数のデータセンター事業者です。政府が国産AIの開発を推進する中で、その計算基盤となるクラウドサービスやデータセンターの需要拡大が期待されています。政府のクラウドサービスに認定された実績もあり、政策的な後押しを受けやすい銘柄として注目が集まっているようです。

 

 

③ エネルギー、原発、GX

エネルギーの安定供給と脱炭素化を両立させるGX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向け、原子力発電の活用や次世代エネルギーへの投資が議論されています。

 

東京電力ホールディングス<9501>

柏崎刈羽原子力発電所の再稼働が経営の大きな焦点です。新政権のエネルギー政策を巡る動向が、同社の株価に大きな影響を与えそうです。

 

関西電力<9503>

複数の原子力発電所を抱え、再稼働に積極的です。政府が原発推進の姿勢を明確にすれば、収益改善への期待が高まる可能性があります。

 

九州電力<9508>

原子力発電所と再生可能エネルギーの両方を持ち、バランスの取れた電源構成が強みです。特に地熱発電では国内トップクラスの実績があるようです。

 

 

④ 国土強靭化、インフラ投資

大規模な自然災害への備えや、インフラの老朽化対策は継続的な政策課題です。防災、減災のための公共投資の拡大が期待され、建設関連企業に追い風が吹く可能性があります。

 

大成建設<1801>

日本を代表する大手ゼネコンの一角です。国家的プロジェクトに関与した実績があり、防災・減災やBCP訓練など国土強靱化の取り組みを継続しています。

 

鹿島建設<1812>

高い技術力を持ち、防災関連の公共事業で豊富な実績があります。継続的なインフラ投資への期待が同社の事業機会を支えると考えられます。

 

小松製作所<6301>

世界的な建設機械メーカーです。国内の公共事業が増加すれば、建設機械の需要も底上げされるため、恩恵を受けることが期待されます。

 

 

⑤ 観光、地方活性

経済対策の一環として、インバウンド(訪日外国人)観光の促進や、国内の観光需要を喚起する政策が期待されています。地方経済の活性化にもつながるテーマとして注目されそうです。

 

東日本旅客鉄道JR東日本)<9020>

新幹線網を活かした観光振興や、駅周辺の再開発などを通じて地方活性化に貢献しています。旅行需要の回復が業績に直結する銘柄です。

 

ANAホールディングス<9202>

日本の空の玄関口として、訪日観光客の増加や国内の移動活発化の恩恵を直接的に受けます。政府の観光支援策が追い風となりそうです。

 

オリエンタルランド<4661>

東京ディズニーリゾートの運営会社です。国内だけでなく海外からの来園者も多く、インバウンド観光の回復、拡大が業績にプラスの影響を与えそうです。海外ゲスト比率は足元で1割超の水準が想定され、インバウンド回復が業績に追い風となりそうです。

 

 

⑥ こども、子育て支援

少子化対策は日本が抱える最重要課題の一つであり、次期政権でも主要な政策テーマとなることが確実視されています。子育て支援策の拡充は、関連サービスを提供する企業の成長につながりそうです。

 

リクルートホールディングス<6098>

人材サービスなどを幅広く展開しています。女性の社会進出支援や多様な働き方の推進といった政策テーマは、同社の事業領域と関連が深く、間接的に恩恵を受ける場面がありそうです。

 

任天堂<7974>

家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」や「スーパーマリオ」などの人気ゲームソフトで世界的なブランド力を持つ企業です。子育て世帯への給付金や減税といった支援策が実施されれば、可処分所得の増加を通じて、同社のゲーム機やソフトへの支出が拡大する可能性があるかもしれません。

 

 

マーケットから見た主な論点

・物価高対策と家計減税の設計

・ガソリンの旧暫定税率の年内廃止に向けた与野党合意の扱い

・財政規律と赤字国債の是非

・賃上げ定着と公定価格の取り扱い

・日銀の金融政策正常化の歩みと政府との連携

 

これらは金利や為替の変動を通じて株式市場に影響しやすく、特に「金利のある世界」への移行が進む中では、銀行・保険などの金利敏感株や、設備投資・内需関連に注目が集まりやすくなりそうです。

 

直近では日銀が政策金利据え置きの一方、保有するETF(上場投資信託)の縮小方針に踏み込み、長期金利は17年ぶり水準へ上昇する場面が見られました。総裁選の議論はこの地合いと重なるため、金利・為替への影響も注目です。

 

 

記事作成日2025年9月24日

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