アップルとテスラが「マグニフィセント・セブン」から脱落の危機か?

アップルとテスラが「マグニフィセント・セブン」から脱落の危機か?

目次

過去最高の売上高を記録したエヌビディア

中国で不振のアップル、中国メーカーの値下げに苦しむテスラ

M7の中でも株価の推移は二極化へ

アップルとテスラが「マグニフィセント・セブン」から脱落の危機か?

 

過去最高の売上高を記録したエヌビディア

 

世界的なIT企業であるGAFAM(Google[Alphabet]、Amazon.com、Facebook[Meta Platforms]、Apple、Microsoft)にテスラ<TSLA>とエヌビディア<NVDA>を加えた7銘柄は、M7マグニフィセント・セブン=壮大な7銘柄)と呼ばれ、順調な業績拡大を背景に市場のけん引役となってきました。

 

ところが最近では、アップル<AAPL>とテスラが業績の低迷からM7からの脱落が懸念されています。特に、テスラは脱落が確実との声も出ています。

 

直近となる第4四半期の決算では、エヌビディアの売上高はAI(人工知能)ブームによる需要増を背景に前年同期比265%増の221億ドル、通期では前年比126%増の609億ドルと過去最高を記録しました。

 
アルファベット<GOOGL>は同13%増の863億ドル、通期が同9%増の3,073億ドル、アマゾン・ドット・コム<AMZN>は同14%増の1,700億ドル、通期が同12%増の5,748億ドル、メタ・プラットフォームズ<META>は同25%増の401億ドル、通期が16%増の1,349億ドルと好調な決算でした。

 

マイクロソフト<MSFT>は2023年10~12月期が第2四半期となりますが、こちらも同18%増の620億ドルと2ケタ増となっています。

 

これに対して、アップルの2023年10〜12月期決算は第1四半期決算で、売上高は前年同期比2%増の1,196億ドル、テスラの第4四半期(10~12月期)は同3%増の251億ドルと小幅な増加にとどまっています。

 

中国で不振のアップル、中国メーカーの値下げに苦しむテスラ

 

アップルはタブレット端末「iPad」とワイヤレスイヤホン「AirPods」とスマートウォッチ「AppleWatch」を含むウエアラブル部門の売上高が不振で、主力の「iPhone」、パソコン「Mac」の売上高が頭打ちとなっており、「アップルTV+」、音楽、iCloudストレージ、アップルストアを含むサービス事業業績を支えています

 

特に、中国市場でのiPhoneの販売不振が大きな懸念材料となっていますが、昨年9月22日に発売された新モデルiPhone15の売上高が、今年から本格的に反映されることなるため、動向が注目されるところです。

 

一方、テスラの経営不振は深刻です。第4四半期の営業利益は、前年同期比47%減の20億6,400万ドルと大幅減益でした。テスラの主力車種である「モデル3」や「モデルY」などの生産台数は前年同期比13%増の49万4989台、販売台数は同20%増の48万4507台と増加したものの、BYDなど中国のEV(電気自動車)メーカーの値下げ攻勢により、価格競争で利益が悪化しました。

 

加えて、EVは依然としてガソリン車よりも価格が高いことや、米国を中心に自動車ローン金利の上昇、ガソリン車からの買い替えに対する補助金の減少など複数の要因がテスラのEV販売に影響しています。4月2日の発表によると、第1四半期(1~3月期)の販売台数は約38万7000台と前年同期比を9%近く下回っています。

 

M7の中でも株価の推移は二極化へ

 

こうした業績の推移は、株価にも顕著に表れています。エヌビディア株は、2023年12月には500ドル近辺で推移していましたが、年明け以降は株価の上昇が続き、3月初旬には970ドル超まで値を上げました。アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズも緩やかに株価の上昇が続いています。

 

しかし、アップルは2023年12月半ばに200ドル近かった株価は下落が続き、3月に入ると170ドルを割り込み、その後は170ドルを挟んだ値動きとなっています。テスラは2023年12月末に260ドルを超えていた株価が、年明け以降は下落が続き、160ドル付近となっています。

 

すでに、アップルとテスラの株価は、200日移動平均線(長期トレンドを分析するためのテクニカル指標)も割り込んでいます。「壮大な7銘柄」とされるM7が、M6やM5となる、あるいは、GAFAMからアップルが脱落し、エヌビディアが加わる日が来るのか?

 

逆に、両社の将来性に期待している人にとっては、こういう厳しい状況の時こそ株価は安くなっているのでチャンスという見方もできるだけに、今後の行方が注目されます。

 

記事作成日:2024年4月10日

公開日:2024.4.15

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