💡この記事のポイント
✅ディープシークの低コストAI(人工知能)が台頭
✅AIを活用するソフトウェア関連株に恩恵
✅好調なソフトウェア関連の米国株をご紹介
🔎登場する銘柄
✅アトラシアン、IBM、スノーフレイク
低コストモデルの登場で生成AIは急拡大の可能性
中国のスタートアップ企業ディープシークが、米オープンAIが手掛ける生成AI「チャットGPT」と同等レベルの高性能な生成AIモデルを、低コストで開発したことが明らかになりました。
この報道を受けてエヌビディア<NVDA>など、生成AI関連銘柄として株式市場を賑わせていた半導体関連銘柄が大幅安となる「DeepSeekショック」が起こりました。
しかし、低コストの生成AIモデルの登場は、日常生活やビジネスの現場で急速にAIが浸透する一歩となる可能性を秘めています。実際に株式市場でもユーザー増や利用促進に繋がるとして、AIを活用するセールスフォース<CRM>などソフトウェア株が買われる動きが見られました。
そこで今回は、AIで恩恵を受けることが期待される米国株3銘柄をご紹介します。
アトラシアン<TEAM>
企業紹介
社内でのプロジェクト管理やコミュニケーションを支援するツールを提供。ユーザーは200カ国以上30万社以上。
主な製品は、チームでのプロジェクト管理ツールの「Jira」、情報やドキュメントを一元管理し共有するツールの「Confluence」など。
注目ポイント
大企業から小さなチームまでソフトウェア開発やプロジェクト管理などで同社のツールが活用されています。チームがプロジェクトの進捗状況やタスクを管理/把握/整理するためなどに役立てられています。
最近は、生成AI「Atlassian Intelligence」を搭載し作業の効率性を向上させています。これにより利便性を高めたことで、ユーザー数の増加やユーザー当たり平均収益の増加に繋げ注目されています。
2024年10-12月期売上高が12億8,646万ドル(前年同期比21.4%増)で、市場予想12億3,979万ドルを上回るなど業績も好調で、アナリストの目標株価引き上げが相次いでいるようです。
AIエージェントを活用したソフトウェア関連銘柄の一つとして注目度の高い銘柄です。
株価動向
株価は2021年10月高値483.13ドルから2022年11月安値113.86ドルへ下落。その後200~250ドル前後での動きが続き、2024年8月安値135.29ドル以降は上昇傾向で、今年1月31日昨年来高値324.37ドルまで上昇しました。
インターナショナル・ビジネス・マシーンズ<IBM>
企業紹介
世界170カ国以上でコンサルティング、システムインテグレーション、アプリケーションマネジメントなどのサービスを提供。
注目ポイント
IBMはかつてはコンピュータ企業というイメージでしたが、近年はオープンソースのOS「Linux」などを提供するRed Hatやクラウドベースのソリューションなどを提供するHashiCorpを買収するなど、ソフトウェアサービスに重点をおく企業へと転換を図っています。
2024年10-12月期の決算発表では、売上高は市場予想の範囲内ではあるものの、1株営業利益は予想を上回る結果になりました。さらに、2025年12月期今期売上高予想も、市場予想を上回る見通しを明らかにしました。
従来のコンサルティングからAIに重点を置いたプロジェクトへ移行していること、そして生成AI向けの受注が堅調であることを明らかにしました。
株価動向
株価は2024年5月安値162.62ドルから12月高値239.35ドルへ上昇。その後はおよそ220~230ドル程度で推移していましたが、決算内容を好感して今年2月4日には265.25ドルまで上昇し上場来高値を更新しました。
スノーフレイク<SNOW>
企業紹介
データとAIを中核とするクラウドコンピューティングプラットフォームを世界規模で提供。
注目ポイント
スノーフレイクはSaaS型のプラットフォームで、クラウドを活用したビッグデータの保管、AIによるビジネス課題を解決するサービスを手掛けています。
2024年8-10月期の決算発表では、一株当たり利益、売上高とも市場予想を上回る結果となりました。さらに、新たに投入した製品が顧客に好評であることが明らかになり、2025年1月期今期の製品売上高予想を上方修正しました。
これを受けてあるアナリストは投資判断を「買い」と評価し、目標株価を210ドルとしました。
株価動向
株価は2024年2月高値237.72ドルから9月上場来安値107.13ドルまで下落。その後11月に発表した決算内容を好感して上昇に転じ、今年2月4日高値190.92ドルまで上昇しました。
記事作成日:2025年2月5日
ファイナンシャルプランナー
横山利香
短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。