関税期限で注目の日本株3選/トヨタ自動車、三菱重工業、神戸物産

💡この記事のポイント

✅関税交渉の期限が7月9日に迫り、新税率は8月1日から発動予定

✅日本には25%の関税率となるとトランプ大統領が表明

✅関税期限を迎えて注目の日本株3銘柄をご紹介

🔎登場する銘柄

トヨタ自動車三菱重工業神戸物産

 

目次

見通しが不透明な今だからこそ注目しておきたい企業は?

トヨタ自動車<7203>

三菱重工業<7011>

神戸物産<3038>

関税期限で注目の日本株3選/トヨタ自動車、三菱重工業、神戸物産

見通しが不透明な今だからこそ注目しておきたい企業は?

トランプ政権の関税政策の猶予期限である7月9日が迫り、トランプ政権は各国に新たな関税率を通知する文書を送ることを明らかにしました。新税率は8月1日から発動される予定のようです。

 

現在、日本からの輸入品には10%の関税が課されていますが、トランプ大統領が7日にSNSで公開した石破総理に宛てた書簡により、新税率では日本に25%の関税を課す意向であることがわかりました。また日本が対抗措置をとれば、さらに税率を上乗せすると警告する一方、今後の交渉次第では税率を見直す可能性があることにも言及しています。

 

関税率は30~35%となる懸念があっただけに、最悪の状態は避けられたようです。また、実質的には交渉期限が8月1日まで延長された格好で、引き続き交渉が続き、日本政府は合意を目指すようです。なお、自動車や鉄鋼・アルミニウムの品目別の関税は、これとは別で、上乗せされないとのことです。

 

日本では参議院選挙を7月20日に控え、関税交渉の行方が不透明という状況です。そのため関税の影響を受けにくいのではとの思惑から、世界を代表する日本のアニメ等のエンターテインメント(エンタメ)関連株が買われ、エンタメ関連9銘柄の時価総額が、自動車主要9社の時価総額を上回ったことが株式市場で話題となりました。

 

ただ、今後の関税交渉により悪材料出尽くしになる可能性や、関税率が引き下げられる可能性や、企業業績が関税の影響を織り込んで想定外に順調で買われる可能性もあるでしょう。

 

そこで今回は、関税交渉の見通しが不透明な今だからこそ注目しておきたい日本株3銘柄をご紹介します。

 

 

トヨタ自動車<7203>

企業紹介

世界トップクラスの販売台数を誇る日本を代表する自動車メーカー。傘下に日野自動車、ダイハツ。

 

注目ポイント

トランプ政権は輸入車に25%の追加関税を課す分野別の追加関税措置を4月に発動しました。日米の関税交渉で、日本政府は自動車関税は受け入れられないと強硬姿勢を打ち出していることから、トランプ政権は合意が困難との見方を示しました。

 

関税引き上げによって値上がりする前の駆け込み需要の影響があったようで、5月の世界販売台数は898,721台となり、5月としては過去最高を更新しました。ハイブリッド車(HV)が好調で、5月の世界販売台数は約38万で全体の約4割を占めています。


トランプ減税の恒久化を柱とする大型減税・歳出法が成立しました。EV(電気自動車)の購入補助金にあたる税額控除の打ち切りが盛り込まれていることから、同社は米国で2026年から生産する予定だったEV1車種を2028年に延期するようです。

 

自動車株はトランプ関税の悪影響を今年に入りかなり織り込んでいることから、悪材料出尽くしの展開となる可能性も今後は考えられそうです。

 

株価動向

株価は2024年12月高値3,220円以降は、分野別の自動車関税等の関税政策を嫌気して値下がりが続いています。今年4月7日年初来安値2,226.5円から5月13日高値2,879.5円まで上昇。その後は下落基調ですが、2,400円台で下げ渋っているようです。

 

三菱重工業<7011>

企業紹介

航空や防衛、造船、宇宙等に注力している国内大手の総合重機メーカー。

 

注目ポイント

中東地域の緊張化地政学リスクが高まったことに続き、NATO(北大西洋条約機構)首脳会議で加盟国の国防費支出に関して2035年までに国内総生産(GDP)比で5%とすることが決定されたことから、防衛関連銘柄が買われる動きになりました。

 

大型基幹ロケット「H2A」50号機を打ち上げ、宇宙空間の目標軌道に投入することに成功したことで、宇宙分野での注目度が上がっています。

 

今後の関税交渉において、防衛関連の話題が盛り込まれる可能性もあり、引き続き注目されそうです。

 

株価動向

株価は2023年以降堅調に上昇しています。今年2月25日年初来安値1,977.5円から6月30日上場来高値3,720円まで上昇。その後は3,500円前後での高値もみ合いが続いています。

 

神戸物産<3038>

企業紹介

業務用食品を販売するスーパー「業務スーパー」をフランチャイズ展開。自社グループ工場で製造する商品や輸入商品のPB(プライベートブランド)を充実させることで差別化。

 

注目ポイント

フランチャイズ展開する「業務スーパー」では大容量で割安なPB(プライベートブランド)商品を数多く展開しており、国内の物価上昇によって割安なPB商品に注目が集まっています。

 

売上のおよそ3割を占めるPB商品は海外で調達したり、原料を海外から輸入して国内工場で製造されているため、円高が進行すると輸入価格が割安になって調達コストが低減される円高メリット株の一社です。

 

月次発表を見ると、国内で物価の上昇が続いていることでコストも上昇しているようですが、節約志向の高まりもあって順調な売上が続いているようです。さらなる経費削減に向けて、自社物流センターを新たに建設することを発表しています。

関税の影響を受けにくく円高や不景気にも強い銘柄として、引き続き注目が集まる可能性のある銘柄と言えそうです。

 

株価動向

株価は今年2月20日年初来安値3,170円から、5月26日上場来高値4,922円まで上昇。以降は4,500円を挟んでの高値もみ合いが続き、高値からの反落ではなく日にちで調整し、出番を伺っているかのようです。

 

記事作成日:2025年7月8日

ファイナンシャルプランナー
横山利香

短大卒業後、金融専門出版社やビジネス書出版社で雑誌の記者、書籍の編集者を経て、ファイナンシャルプランナー、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)として独立。株式や不動産、外貨、投資信託など、資産運用をテーマとした執筆や講演活動、投資塾などを行う。株式や不動産への投資を中心に、為替などさまざまな金融商品への投資を行う。大学生の子どもがいる。

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