⑨売りの考え方とロスカットを学ぼう【資産づくりステップアップ】

💡この記事のポイント

✅「買った理由」が崩れたときが売却の検討タイミング

✅利益が出ているときは「分割利益確定」で着実に利益を確保

✅損失を広げないための「ロスカット」は次の投資への準備

🔎登場する主な銘柄

メタ・プラットフォームズジョンソン・エンド・ジョンソンマイクロン・テクノロジーアドバンテスト住友金属鉱山

 

目次

「売り」を考える3つのポイント

メタ・プラットフォームズ<META>

ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>

マイクロン・テクノロジー<MU>

アドバンテスト<6857>

住友金属鉱山<5713>

初心者の方へ

⑨売りの考え方とロスカットを学ぼう【資産づくりステップアップ】

「資産づくりステップアップ」第9回となる今回は、初心者の方が迷いがちな「売りの考え方」や、損失の拡大を抑える「ロスカット(損切り)」について解説します。

 

 

「売り」を考える3つのポイント

「株を買ってみたけれど、いつ売ればいいのか分からない…」

そんな悩みを持つ投資家の方は少なくありません。株価が上がれば「もっと上がるかも」と期待し、下がれば「いつか戻るはず」と執着してしまいがちです。ずばりピンポイントの高値で売却できる確率はとても低いので「売りは難しい」と感じるのも当然かもしれません。

 

株を売るタイミングに正解はありませんが、迷ったときは以下の3つの視点で考えてみましょう。

 

「買った理由」が変わったとき

「事業が成長しそうだから」「配当が良いから」など、最初にその株を買った理由を思い出してみてください。もしその企業の業績が予想に反して悪化したり、魅力に感じていた事業の成長が止まったりした場合は、売却を検討するサインです。

売りの迷いを減らすコツは、買うときに“買った理由”をメモで残しておくことです。難しく考えず、簡単に1行でも大丈夫です。その買った理由が維持されているかを点検しましょう。「短期で上昇しそう」と思って買ったのに、下がってしまい長期低迷(塩漬け)というのは、買った理由が維持されていない典型的なパターンです。

 

分割利益確定

株価が上昇して評価益が出ている場合、一度に全部売るのではなく、一部を売る「分割利益確定」という手法も有効です。これなら、売った後にさらに株価が上がっても残りで利益を伸ばせますし、逆に下がっても利益を一部確保した状態で保有できます。

例えば、目標に近づいたら3分の1を売って利益を確保する。さらに伸びたらもう3分の1を売る。残りは「上昇が崩れたら撤退」などルールを決めて売る。このような売り方は、売値を分散することで「安く売りすぎた」「高値で売り損なった」という失敗をできる限り抑えることに繋がります。

 

損失の拡大を防ぐロスカット(損切り)

投資で一番避けたいのは、一つの銘柄で大きな損失を出して、投資を続ける資金や気力を失ってしまうことです。「買値から10%下がったら売る」といったルールをあらかじめ決めておき、機械的に売却することを「ロスカット(損切り)」と呼びます。

ロスカットは、怖いものという印象があるかもしれません。ただ、ロスカットは「勝つため」よりも、負けを拡大させないための手法です。資金が残っていれば、次の収益機会を待てます。

ロスカットは、「買値から何%下がったら売る」「直近の安値や節目を割ったら売る」「一定期間で想定どおりに進まなければ売る」などのルールが考えられます。

 

ここからは実際の銘柄を例に、売りの考え方を参考までにご紹介します。

 

 

メタ・プラットフォームズ<META>

成長企業は、期待が強い局面では株価が大きく動きやすい反面、環境が変わると調整も起きやすい傾向があります。

売りの条件を考えるときは、次のように「買った理由」を分解します。

 

・買った理由の例:広告事業の強さ+AI投資で成長が続きそう

・点検ポイント:決算での売上成長や見通し/投資負担が利益を圧迫していないか

 

成長株でありがちなのは、「成長しているのに、株価が伸びない」状態です。これは、投資額の増加などで利益が市場の想定に届かないケースでも起こりがちです。そうしたときは、一部を利益確定して投資額を落とすのも選択肢になります。

逆に、悪材料が重なって「買った理由」が薄れたと感じたら、ロスカットルールに従って撤退するのも手です。

 

ジョンソン・エンド・ジョンソン<JNJ>

ヘルスケア領域の世界的企業で、景気に左右されにくい事業が多いとされています。こうした“ディフェンシブ銘柄”は、日々の値動きに振り回されにくい一方で、「なんとなく安心だから」と持ち続けてしまい、判断が曖昧になりがちです。

そこで大事なのが、「買った理由」を、売る理由に変換しておくことです。

 

・買った理由の例:安定した収益基盤で、長期で持ちやすそう

・売る理由の例:見通しが変わり“安定”が揺らいだ/想定外のリスクが増えた

 

点検は、決算や会社の見通し(ガイダンス)やニュースです。守りの銘柄でも、事業環境や競争、政策・規制などで前提が変わることはあります。

また、利益が出ているときは分割で利益確定が相性の良い方法です。「全部売る」か「ずっと持つ」かの二択にせず、半分だけ売って残りは保有、というように柔軟な運用も検討してみましょう。また下落した時に買い直すこともできます。

 

マイクロン・テクノロジー<MU>

メモリー半導体を手がける企業で、需給や投資サイクルの影響を受けやすいタイプです。こうした景気に敏感な銘柄は株価の変動が大きくなりやすいので、売りのルールを大まかでも先に決める価値があります。

 

買った理由の例:メモリー市況が改善し、業績が伸びそう

点検ポイント:会社の見通し/市況の変化(需要・供給)/利益率の変化

 

景気敏感株(シクリカル株)で有効なのは、利益が乗っているうちに分割で利益確定する考え方です。高値のピークを当てにいくのは難しいため、「上がったら一部を売る」をルール化しておくと、結果的に大きな失敗を防ぎやすくなります。

一方で、想定と逆方向に動いたときはロスカットも重要です。値動きが大きい銘柄ほど、「戻るまで待つ」が長引くと、資金が動かせない期間が増えてしまいます。

 

アドバンテスト<6857>

半導体の検査装置(テスト)に強みを持つ企業で、半導体投資の流れと関係が深い銘柄です。テーマ性がある分、上がる局面も下がる局面も速いことがあります。

ここで役立つのがテクニカル分析(過去の価格や出来高から、相場の流れをみる考え方)です。初心者の方は、まず次の2つに絞ると十分です。

 

移動平均線:株価が移動平均線より上なら上昇基調、下なら弱含みの目安

節目:直近の高値・安値、キリのいい株価水準など

 

テクニカル分析は「当てにいく道具」ではなく、迷ったときの判断材料や目安として使いましょう。例えば、「上昇が続いている間は保有。ただし、反落して節目を割ったら一部利確/全部撤退」など。こうした“目安”があれば、判断のブレを小さく抑えることに繋がります。

 

住友金属鉱山<5713>

非鉄金属や資源関連の事業を持ち、金や銅やニッケルなどの市況、為替、景気動向の影響を受けやすい傾向があります。資源株は外部要因が大きい分、点検項目を固定しやすい面があります。

 

買った理由の例:資源市況が追い風で利益が出やすそう

点検ポイント:市況の方向感/為替の影響/決算での採算やコストの変化

 

資源株は“上がると速い”こともあるため、上昇した局面では分割での利益確定が向いています。一部を現金化しておくと、その後の値動きに落ち着いて対応しやすくなります。

逆に、市況の反転などでシナリオが崩れたときは、損切りの先延ばしに注意が必要です。「前提が変わった」と判断したら、ロスカットラインで対応していくのが一法です。

 

初心者の方へ

売り時も買い時も、どちらも完璧な正解はありません。ですので、少しでも大きな失敗を防ぐための「買うタイミングの分散」「分割利益確定」「ロスカット」などが重要な手法になってきます。

まずは、「買った理由をメモしておく」「売るルールも決めておく」ようにしましょう。その後は保有を続けるか売却するかの「点検」を小まめに行いましょう。もちろん状況に応じてルールを見直したり、別の判断をするのも良いでしょう。ただ、あらかじめ売るルールなどを考えておくことで「考えが整理でき」、その後の判断も行いやすくなるはずです。

試行錯誤を重ねながら、自分に合った売り方やルールを見つけていく、そういう考え方をおすすめします。

 

 

記事作成日:2026年1月21日

 

 

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