ブロードコム<AVGO>
◎2025/12/12(金)終値359.93ドル-46.44ドル
◎前日取引終了後に発表した決算や業績見通しが市場予想を上回ったものの、AI製品の比率上昇による利益率低下の見通しなどが嫌気され、前日比-11.42%安と急落しました
◎2025年8-10月期売上高は180億2,000万ドルで市場予想175億ドルを上回り、一株当たり利益1.95ドルも市場予想1.87ドルを上回りました
◎2026年1月期今期の売上高予想191億ドルも市場予想184億ドルを上回りましたが、ホック・タン最高経営責任者(CEO)がAI売上高比率の上昇により粗利益率が低下すると発言したことがネガティブ視されたようです
◎また、アンソロピックからの110億ドルの追加受注などを発表したものの、オープンAIとの取引拡大が2027年以降になるとの見通しや、割高感への警戒も売りを誘ったようです
◎一方で、あるアナリストは、利益率低下を利益成長が補うとして投資判断「オーバーウェイト」を維持し、目標株価を365ドルから500ドルへ引き上げました
◎同業のマーベル・テクノロジー<MRVL>-5.59%も続落しました
オラクル<ORCL>
◎2025/12/12(金)終値189.97ドル-8.88ドル
◎オープンAI向けデータセンターの建設遅延報道や、設備投資増額による信用リスクへの懸念が再燃し、前日比-4.46%安と続落しました
◎週間の下落率は約13%に達し、2018年以来の大きさとなりました
◎建設遅延報道について会社側は「必要な拠点に遅延はなく順調」と否定しましたが、信用リスクを示すCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は16年ぶりの高水準に上昇しています
◎また、四半期業績報告書で多額の追加リース債務が明らかになったとの指摘もあり、投資適格格付けの維持や財務負担に対する警戒感が株価の重荷となっているようです
インテル<INTC>
◎2025/12/12(金)終値37.81ドル-1.7ドル
◎中国系半導体製造装置メーカーであるACMリサーチの製品をテストしていたとの報道を受け、国家安全保障上のリスクが強く懸念され前日比-4.3%安と続落しました
◎報道によると、コスト削減を目的に同社の洗浄装置を最先端プロセスでテストしていましたが、米議会などからは技術流出やサプライチェーンの安全性を危惧する声が上がり、売り材料となったようです
◎一方、AI半導体ベンチャーのサンバノバ・システムズを約16億ドル(約2,500億円)で買収する最終協議に入ったとも報じられました
◎しかし、AI市場での出遅れ感が根強く、この買収報道もエヌビディア<NVDA>-3.26%などの牙城を崩す決定打とは受け止められず、買い材料視されなかったようです
アドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>
◎2025/12/12(金)終値210.78ドル-10.65ドル
◎オラクル<ORCL>-4.46%とブロードコム<AVGO>-11.42%の下落を受け、AI関連銘柄からの資金流出が加速し、前日比-4.81%安となりました
◎オラクルは売上高予想未達に加え設備投資を増額したことなどでAI収益化への懸念を招き、ブロードコムはAI製品シフトによる利益率圧迫を警告しました
◎市場の関心が「成長」から「利益の証明」へ移行する中、割高なAI関連株から、利下げの恩恵を受ける業種への資金シフトが起きたようです
◎これにより、アンフェノール<APH>-7.08%、マイクロン・テクノロジー<MU>-6.7%、デル・テクノロジーズ<DELL>-6.21%、アプライド・マテリアルズ<AMAT>-4.03%なども下落しました
ルルレモン・アスレティカ<LULU>
◎2025/12/12(金)終値204.97ドル+17.96ドル
◎カルビン・マクドナルド最高経営責任者(CEO)の退任発表や、2026年1月期今期の上方修正が好感され、前日比+9.6%高と急伸しました
◎4月以来最大の上昇率となり、投資家は長引く業績不振からの脱却に向けた経営体制刷新を好意的に受け止めたようです
◎あるアナリストは、投資判断を「アンダーパフォーム」から「ホールド」に引き上げ、CEO交代を「最も建設的な展開」と評価しました
◎一方、創業者チップ・ウィルソン氏は取締役会の対応を批判し、新CEOの選定は新たな独立取締役が主導すべきと主張しているようです
GEエアロスペース<GE>
◎2025/12/12(金)終値299.81ドル+11.39ドル
◎シティグループ<C>+0.05%のアナリストが、投資判断「買い」、目標株価386ドルで調査を開始したことが好感され、前日比+3.95%高と続伸しました
◎アナリストは、商業航空宇宙や防衛分野のメガトレンドを背景に、同社が今後5年で時価総額1兆ドル企業に成長する可能性があると強い期待を示しました
◎また、船舶エンジン部門が米海軍のアーレイ・バーク級駆逐艦2隻向けに、ガスタービンエンジン「LM2500」8基を受注したと発表したことも材料視されたようです
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