💡この記事のポイント
✅ オラクルの受注残急増が示すAIインフラ需要
✅ 半導体からデータセンターまで恩恵は広範囲に
✅ AIインフラ投資の恩恵期待の日米株34選+22銘柄
🔎登場する主な銘柄
✅日本株:ソフトバンクグループ、アドバンテスト
✅米国株:エヌビディア、ブロードコム
✅ オラクルの受注残急増が示すAIインフラ需要
✅ 半導体からデータセンターまで恩恵は広範囲に
✅ AIインフラ投資の恩恵期待の日米株34選+22銘柄
✅日本株:ソフトバンクグループ、アドバンテスト
✅米国株:エヌビディア、ブロードコム
AIインフラへの巨額投資で注目の関連分野
データセンター・クラウド
半導体
メモリー
パッケージ・材料
半導体製造装置
IC(集積回路)
ネットワーク
配線・光部品
電力インフラ
冷却システム
サイバーセキュリティ
その他の関連銘柄
AIクラウドサービスを手掛けるオラクル<ORCL>が、2025年6-8月期決算で将来の売上となる受注残が前四半期から3倍以上に拡大し、AIインフラ需要の強さが改めて意識されました。これは、旺盛なAI需要が今後も続くことを意味し、中長期でデータセンターへの巨額投資が行われることを示しています。
これによりオラクルは前日比+35.94%も急騰し、時価総額が9,222億ドルとなり米国企業で10位に浮上しました。これまでもAI関連は注目されてきましたが、あらためてこの波の大きさが意識された格好で、多くのAI関連株も追随しました。
この投資の波は、AIの頭脳となる半導体の製造にはじまり、データセンターを動かすための膨大な電力を安定供給する設備、熱を冷ます冷却システム、情報を高速でやり取りする通信ネットワーク、外部の攻撃からネットワークを守るサイバーセキュリティなど、多くの技術や製品が必要不可欠となります。
つまり、データセンターを中心に、幅広い産業にビジネスチャンスが広がっており、関連銘柄への注目度はますます高まっていきそうです。ここからは、この「AIインフラ」を支え、活躍が期待される日本株・米国株をご紹介します。
AI開発競争の最前線に立ち、実際にAIを動かすためのデータセンター運営やクラウド(計算基盤)を提供する企業です。AI投資拡大を牽引する、中核的な存在と言えます。
米国の巨大AIインフラプロジェクト「スターゲート計画」を主導する中心的パートナーです。自社でインフラを構築するだけでなく、AIエコシステム全体に投資しており、投資先の価値向上という形でもAI市場拡大の恩恵が期待されます。
クラウドサービス「Azure」で世界トップクラスのシェアを誇ります。チャットGPT開発元のオープンAIと密に連携し、AI利用に必要なデータセンターを世界中で増強しており、AIの社会実装をリードしています。
AIの学習や推論には、人間の脳の神経回路網を模した計算を高速で実行できる特殊な半導体、特にGPU(画像処理半導体)が不可欠です。データセンターへの投資は、まずこの「頭脳」の購入に充てられます。
生成AI向けGPUで市場をほぼ独占する王者です。同社のGPUなくして現在のAIの進化は語れず、データセンター投資の恩恵を最も享受する企業の一つです。
エヌビディアの対抗馬として、AI向け半導体「MIシリーズ」の拡販を進めています。旺盛なAI半導体需要の受け皿として、市場での存在感を高めています。
特定の顧客向けに専用設計されたAIカスタム半導体(ASIC)に強みを持ちます。大手テック企業が自社に最適化したAI半導体を求める中で、需要が拡大しています。100億ドルを超えるAIカスタム半導体「XPU」の大型受注も発表しました。
AIサーバー内でデータを高速伝送するための半導体などを手掛けるほか、特定の顧客向けに最適化されたカスタム半導体の設計にも強みを持ちます。汎用品ではない専用品を求める大手テック企業の需要を取り込み、AIインフラの性能向上に貢献する企業です。
AIは計算処理の過程で、膨大なデータを一時的に記憶する場所を必要とします。ここで重要になるのが、従来よりも遥かに高速な「HBM(広帯域メモリー)」と呼ばれる特殊なメモリーです。また、AIの学習データなどを保存するためのNANDフラッシュメモリー(電源を切ってもデータを保持できる不揮発性メモリー)の需要も増加しています。
NANDフラッシュメモリーで世界トップクラスのシェアを誇る日本企業です。AIが扱うデータ量が爆発的に増加するのに伴い、データを保存するストレージ需要も拡大するため、中長期的な恩恵が期待されます。
次世代メモリーをいち早く量産し、エヌビディアの新型GPUにも採用されるなど、AI向けメモリー市場でシェアを拡大しています。NANDフラッシュメモリーの需要も増加すると指摘されています
高性能なAI半導体は、複数のチップを一つにまとめる「先端パッケージ」という技術で作られます。その土台となる基板や、製造に不可欠な特殊なフィルム材料などを手掛ける日本企業が世界で高いシェアを握っています。
AIサーバーで使われる大型・高機能な半導体のパッケージ基板で世界トップクラスの技術力を誇ります。半導体の高性能化に伴い、同社の基板の重要性はますます高まっています。
うま味調味料で有名ですが、半導体の絶縁材料として不可欠な「ABF(味の素ビルドアップフィルム)」で世界シェアをほぼ独占。先端半導体の製造に欠かせない存在です。
最先端のAI半導体は、ナノメートル単位の超精密な加工技術の結晶です。その製造や検査に用いられる装置は極めて高度で、特定の企業が世界市場を寡占しています。
半導体製造の前工程で使われる様々な装置で世界トップクラス。特にAIに不可欠なHBMを製造するための装置需要が拡大しています。
半導体の製造工程に不可欠な、ウエハを洗浄する装置で世界トップシェアを誇ります。AI半導体の増産は、同社の装置需要を押し上げます。
半導体の回路形成に重要な「成膜」という工程の装置に特化し、高い技術力で先端半導体の性能向上に貢献しています。
完成したAI半導体が設計通りに性能を発揮するかを試験する「テスタ」の最大手。高性能な半導体ほど試験の重要性が増すため、需要は継続的に拡大しています。
半導体製造装置で世界首位級の総合メーカー。製造の前工程から後工程の先端パッケージングまで、あらゆる装置を網羅しており、AI半導体投資の恩恵を幅広く受けます。
半導体の回路を削り出す「エッチング」装置の分野で高いシェアを持ちます。特にHBM関連での需要増が期待されます。
半導体製造の各工程で、欠陥を検査・測定する装置で独占的な地位を築いています。半導体の微細化・複雑化が進むほど、同社の役割は重要になります。
AIサーバーは、主役のGPUだけでなく、システム全体を安定して動かすための無数の小型電子部品によって支えられています。その中心となるのがIC(集積回路)で、電子回路の様々な機能を小さなチップに詰め込んだものです。電源をきめ細かく制御したり、データのやり取りを円滑にしたり、AIサーバー全体の安定稼働を支えています。
サーバーの電源を効率的に管理するICや、パーツ間でデータを高速伝送するためのインターフェースICなど、AIサーバーに不可欠な周辺半導体を幅広く手掛けています。
データセンター内では、膨大な数のサーバーが相互に超高速で通信し、一つの巨大なコンピュータのように連携して動作します。そのための通信機器(スイッチなど)が「神経網」の役割を果たします。
法人向けネットワーク機器の最大手。AIが扱うデータ量の爆発的な増加に対応するため、次世代の高速通信規格「800G」に対応したデータセンター向けスイッチなどを展開しています。
大規模データセンター向けの高性能スイッチに強みを持ち、大手クラウド企業を主要顧客としています。AIインフラの性能向上に欠かせない存在です。
データセンター内のサーバー間や、データセンター同士を結ぶ「血管」が、光ファイバーケーブルやコネクタ(接続部品)です。AIが扱うデータ量が爆発的に増える中、より高速・大容量の通信を可能にする技術が求められています。
大規模データセンター向けに、高密度な光ファイバーケーブルなどを提供。データセンターの性能向上と省スペース化に貢献しています。海外投資家からの評価も高い銘柄です。
データセンターで期待される光接続技術に強みを持ちます。大量のサーバーを効率的に接続し、システムの拡張性を高める技術で注目されています。光ファイバー需要で業績拡大が期待されています。
次世代の高速通信規格「800G」や「1.6T」といった超高速通信時代に対応する、サーバー用のコネクタやケーブルで高い技術力を誇ります。関連事業を買収するなど成長分野を強化しています。
AIデータセンターは、時に一つの街に匹敵するほどの膨大な電力を消費します。そのため、高品質な電力を安定的に供給し、停電などに備えるための堅牢な電力インフラ(受配電設備、無停電電源装置など)が極めて重要です。
万一の停電時にもサーバーを動かし続けるための無停電電源装置(UPS)などで、データセンターへの豊富な納入実績を持ちます。国内外のデータセンター新増設で恩恵を受けています。
大容量のUPSを展開し、特に大規模なデータセンターの需要に対応。省エネ性能の高い製品で、データセンターの運用コスト削減にも貢献します。アルファベット<GOOGL>のグーグルクラウドのサービスパートナーでもあり、電力需要の恩恵が期待できます。
電力管理技術の世界的リーダー。データセンター向けには、大規模な電力需要を支えるUPSや配電ユニット(PDU)で高いシェアを誇ります。AIサーバーの導入で急増する電力消費と、それに伴う高品質で安定した電力供給のニーズに応えるキープレイヤーです。
高性能なAI半導体は、膨大な電力を消費すると同時に、高熱を発します。サーバーの安定稼働と性能維持のためには、この熱を効率的に冷やすための高度な冷却システムが不可欠です。
空調技術の世界的リーダー。従来の空冷だけでなく、より冷却効率の高い「液冷」など、次世代データセンター向けの多様な空調ソリューションを提供しています。
冷却水を循環させるためのポンプなどを手掛ける産業機械メーカー。データセンターで使われる冷却装置向けポンプなどで貢献しています。
サーバー内部で熱を排出する冷却ファンなど、精密小型モーターで世界トップシェア。省電力で高効率な製品が、データセンターの消費電力削減に寄与します。
サーバーやストレージなどIT機器の世界的メーカー。より発熱量の多い次世代AI半導体に対応した、液冷サーバーなどの開発を進めており、データセンターの機器更新需要を取り込みます。
データセンターが社会の重要インフラとなるほど、サイバー攻撃の標的となるリスクも高まります。内部の重要なデータやシステムを外部の脅威から守るための、高度なセキュリティ対策が求められます。
「ゼロトラスト(何も信用しない)」という考え方に基づき、社内外を問わず安全な通信を確保するセキュリティサービスで高い評価を得ています。
ネットワークとセキュリティの機能を一体化して提供する「SASE(Secure Access Service Edge)」と呼ばれる分野のリーダー。データセンターと利用者を安全に接続します。
AIを活用してサイバー攻撃を検知・防御するEDR(端末保護)が主力。データセンターやクラウド環境全体の防御へとサービスを拡張しています。
世界中に分散したネットワークを活用し、Webサイトの高速化やセキュリティ強化を実現。データセンターとユーザー間の通信を安全かつ快適にします。
NTT
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記事作成日:2025年9月12日
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